指導教員としたい人に連絡とって一度相談してみては?

コメント欄やはてなブックマークコメントが結構ネガティブ。せっかく、挑戦しようとした経緯を公開してくれているのに。

そうやってあれこれ本を読んでいるうちに、2013年の11月になりました。ふと、大学院でこうしたことについてちゃんと学習してみたいという気持ちになって、そもそもどういう学校があるのだろうと検索したところ、母校の東京都立大学(現・首都大学東京)のビジネススクールが後期日程を募集しているのを発見。院試のシーズンはもう終わったものばかりだと思っていたので来年にでもと思っていたのですが、前述の『組織論』共著者の先生もいらっしゃるし、受けてみようと思い立ったのでした。

はてなブックマークコメントの以下のものが適切な助言だと思います。一番の原因は指導教員としたい人に連絡をとっていない点にあると思います。

  • sakahashi アドバイス。とりあえずここ数年分の「組織科学」の主要研究テーマを見る。そこから研究計画書の書き方も多少学べる。小論文の回答はどの学説をとるか明確に。あと桑田先生に挨拶にいく。それでも駄目なら別大学。
  • kaiteki61 こんなにたくさん読む必要あるのだろうか 研究室から出た論文読んで、指導教員と事前に会っておくという重大なプロセスがない 本は有斐閣の教科書だけ複数回読み返せばいいだけという感じ
  • baca-aho-doji 何より先に大学内の担当教官になり得る教授にアポとって自分の研究の面倒見てもらえるのか?研究計画書足りないところはないか相談するのが普通では。。。 ちょっと分野違うからもしかしたら違うのかもしれないけど
  • ytn 日本の場合、MBAといえど研究色が強かったりするのでねえ。研究色が強いということは、研究計画書の内容と構成で「自分は『研究』できます」と示せなければ、まあ落ちる。組織社会学経営学的組織論はだいぶ違うのよ

首都大学東京 ビジネススクールのWebサイトを見るかぎり、コースワークだけでなく、ある程度研究をすることが期待されているようです。

経営学専攻博士前期(修士)課程を修了するためには、所定の単位を取得したうえで修士論文又は特定の課題についての研究成果(以下、「課題研究論文」という)を提出し、最終試験に合格しなければなりません。
修了要件(PDF)より)

このことから、面接のときの判断基準となるのは「この人は2年間で修了できるだろうか?」という点です。指導教員候補の教員とのやりとりがない場合には、完全に筆記試験と提出書類、面接での受け答えだけでの判断となります。こうなると、異分野からの進学者にとってはちょっとつらい。多分、基本的に勉強が足りないので試験のできも悪いし、研究計画もその分野の専門家がみたときのおもしろさを伝えられるほど練られていないことが多いと思います。合否が簡単に変わるわけではないけど当落線上の場合、面識があると「やる気と狙っていることはおもしろそうだから」という理由で合格の方に振り分けることもありえます。

博士課程進学時の研究計画書ならともかく、修士課程なのだから受験者は基本は研究したことないのが前提のはずです。なので、研究計画で重視されるのは研究手法ではなく、研究背景と目的。つまり、取り組む問題は何か?なぜ、その問題を解決する必要があるのか?がはっきりしているかどうかだと思います。ここさえ、ちゃんとしていれば研究手法は適切なものを選べば良いです(大学院に入ってから道具を学べば良い。すでに道具をもっているなら別に大学院入る必要ははありません)。私は門外漢ですが、公開されている研究計画を読んだ感想は以下の二つです。

  • 何が問題なのか。どうしてその問題を解決すべきなのかがはっきりしていない
  • 現職の経験がこの問題認識や解決にどう寄与したのか/するのかが説明されていない(実務経験があるのにもったいない)

はてなブックマークコメントのこちらの指摘も重要だと思います。

  • niam 研究計画書読んだけど、もっと基本的な問題で、スクラムがソフト開発手法である事が書かれてない、スクラムの解説書の引用がない。スクラム開発の有用性を初めて定量的に評価する研究だ、と言えばだいぶ違ったのでは

首都大学東京 ビジネススクールは10月にも入試があるようなので、まずは指導教員にしたい教員に連絡をとり、一度面談し、その上で相談しつつ研究計画を作るというのを強くお勧めします。

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