次は情報処理学会学会誌に関してポリティカルコレクトな表紙かを語ろう

あの表紙に不快を感じるというのは問題ない。ただ、過度な一般化や裏を読み過ぎるのはやめてほしいところ。「無意識の差別(偏り)がある」と指摘されるのは、気分良くはないけれども、基本的にありがたいこと。だけど、社会におけるジェンダー差別への怒りを叩きつけられると「いや、そこまで言わんで良いだろ」とか「もっと***なやつが〜にあるじゃない」と言いたくなる。

言われてみれば、「家事=女性」という印象を与える表紙になっていると思う。あの電源コードみたいなやつは女性が人間でないことを表すための記号なのだろうけど、行動を制限するひもと受け取られても変ではない。でも、私はアニメを見慣れているせいか「古いSF風な表紙だな」としか思わなかった。バランスとるために、2015年はパワードスーツ着たおっさんがお料理しながら子供をあやしている表紙にしたら良いと思う。

追記(12/27):人工知能学会:学会誌名の変更と新しい表紙デザインのお知らせをよく読んだら毎号表紙を変更するとのこと。

むしろ2013年度の情報処理学会の表紙の方が「どうした情報処理学会?」と思わされた。2013年度の表紙は邪気のないこどもが延々と意味のない記号の羅列を書き続けていることから「思考停止」「理解不能」「意味不明」「止めることができない」というメッセージを強く感じる表紙だった。計算機や情報社会の不気味さをよく表している表紙だったと思う。

打って変わって2014年の表紙は、ロボットが溶け込んだなかなか心温まる絵だと思う。


ちなみに2012年5月号は人工知能学会学会誌2014年版の表紙と同様にポリティカルコレクトじゃない表紙になっている。

追記

こうしたネット上の反応について、編集委員長の松尾准教授は、次のように話した。

「ネット上で広く議論をしていただくのは有り難いと思っています。学会としては、女性を差別したり蔑視する意図はありません。ただ、そういう意見もあるときちんと受け止めて、今後の表紙デザインを考える上で参考にしていきたいと思っています」