DARPA主催のロボット競技会でSCHAFT社が好成績を残したニュースについて

ロボットにはまったく疎いのだけど、ネットのニュース見て気にかかったことがあるのでメモ。

  1. 日本のメーカーが目利きで&投資できていないのではないかという疑念
    • 新聞の見出しが「日本」とか「日本企業」とあるのだけど、その会社は先日アメリカのGoogleに買収されている
    • このレベルのロボットは、すぐさま利益でるまでに成熟した状態ではないので明らかに「投資」であること
  2. イノベーション」が日本政府の合言葉になっているけど、地味で宣伝にならず短期的には無駄金とみなされるイノベーションを促進する仕組みに金をかけていないのではないかという疑念
  3. 新聞がデータだけを伝えており情報になっていない気がする。So, What?、Why, So?がない

競技会の重要性

国防総省国防高等研究計画局(DARPA)が主催する災害救援ロボットの競技会「ロボティクス・チャレンジ」が20日、米南部フロリダ州で開幕した。人間が近づけない災害現場で救援活動に従事するロボットの技術開発を促すのが目的。
〜中略〜
災害救援ロボット研究の第一人者で東北大学大学院教授の田所諭氏は、「世界では災害が多発しており、人間が入っていけないような厳しい現場ではロボットの出番は増えている。技術開発を後押しするこのような大会の意義は大きい」と評価する。
日本経済新聞:グーグル買収の東大ロボ首位 米国防省競技会より)

「いま参加しなくてはいけない」。SHAFTの鈴木稔人最高執行責任者(COO)は、米国防総省高等研究計画局(DARPA)による災害対応ロボットの競技会「DARPA Robotics Challenge(DRC)」への参加を決めた心境をこう振り返る。DRCは東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて企画され、2012年4月に計画が発表された。DARPA資金援助を受けながら開発を進め、2014年12月に行われる最終競技で勝ち抜けば、事業化に向けた資金を得られる。

日刊工業新聞社:東大出身ベンチャー・SCHAFT社に支援の輪、DARPA Robotics Challengeより)

資金調達の難しさ

ハード系ベンチャー、とりわけロボット開発ベンチャーは、インターネット関連のそれと違い、創業からEXITまで何度かの大型資金調達が必須である。 〜中略〜

新しい産業の希望となるべく誕生したSCHAFT社だったが、初期の資金調達は困難を極めた。日系のベンチャーキャピタルでめぼしいところはあらかた回った。思いや技術に対して共感をしてくれるものの「リスクが高すぎる」「ロボット産業への投資はまだ早い」「類似のベンチャーは全て失敗している」といった理由で、手を差し伸べてくれるファンドはなかなか見つからない。

最終的には自身がアドバイザーを務めていたベンチャーキャピタルからの出資を引き出しつつ、当時エンジェル投資家として数社のスタートアップに投資をしていた鎌田富久氏(iモードなどのモバイルインターネットの技術革新を牽引した株式会社ACCESSの共同創業者)から資金を獲得することに成功したのだった。
〜中略〜

創業当時、なかなか資金の調達が決まらず、中西氏、浦田氏と数々のファンドを回る日々の中で、彼らをサポートしてくれる協力者が次第に増えていき、そこからGoogleへつながる人脈を得た。アメリカの国防総省が主催するロボットのコンテスト「DARPA Robotics Challenge(DRC)」に参加していたことも功を奏した。このコンテストでアメリカ政府の厳しい審査を通過していたため、技術的な基盤がしっかりしていることが担保されたのだ。 〜後略〜
TechWave: SCHAFT社CFO加藤氏に聞く、Google買収までの舞台裏 @itmsc より)

ネットニュースの見出し&リンク

時間や文字数の都合もあるのだろうけど、既に買収済みであることやDARPA主催のコンテストであることが説明されていないものもある。