観測気球かな?→ 国公立大入試:2次の学力試験廃止

原則廃止なのか、自由選択なのかわからん書き方。

政府の教育再生実行会議(座長、鎌田薫・早稲田大総長)が、国公立大入試の2次試験から「1点刻みで採点する教科型ペーパー試験」を原則廃止する方向で検討することが分かった。同会議の大学入試改革原案では、1次試験で大学入試センター試験を基にした新テストを創設。結果を点数グループでランク分けして学力水準の目安とする考えだ。2次試験からペーパー試験を廃し、面接など「人物評価」を重視することで、各大学に抜本的な入試改革を強く促す狙いがある。実行する大学には補助金などで財政支援する方針だ。

政府の教育再生実行会議(座長、鎌田薫・早稲田大総長)が、国公立大入試の2次試験や私立大入試で教科型ペーパー試験の廃止を検討することが分かった。この背景には「大学任せの入試改革には限界がある」という危機意識がある。

企業が求める即戦力や意欲ある若者の育成は、大学の教育機能の向上が不可欠だ。入り口の入試も極めて重要になる。「1点刻み」の学力テストが2次試験から廃されれば、受験生の負担はある意味軽くなる。だが、面接や論文、課外活動の評価は新たな競争も生み出しかねず、大学がそこで受験生の可能性をしっかり見いだすことも容易ではない。トップレベルやマンモス大学からの反発も予想される。それでも、成熟期を迎えた日本が国際社会で生き残るためには「知識偏重主義」からの脱却が避けられないことを同会議は示そうとしている。

大学の狙いが明確ならば、従来通りの試験も可能だが「なぜペーパー試験なのか」の説明が必要だ。「公平性」だけに寄りかかるわけにはいかない。大学としてどのような学生を入学させ、どう育て、社会に送り出すのか。同会議は大学に考えさせようとしている。【福田隆】

朝日新聞毎日新聞よりも抑制的な内容&批判的。

これまでの会議では「わずかな点差で合否を決めることには意味がない」との意見が多かったという。受験学力重視の入試が変われば、高校で様々な体験を積む余裕が生まれ、生徒の可能性を広げられる、という意見も示されたという。

しかし、実現可能性を疑問視する声は少なくない。面接重視型の入試をすでに実施している大学の教員は「定員を数十人に絞っても大変な労力がかかる」と言う。有名私大では出願者が10万人を超えるところもあり、「実際問題として不可能だ」という声がある。

どんな選抜方法をとるか、最終的な判断は当然各大学に委ねられており、国が縛ることはできない。「新テスト」への参加は自由で、従来通り各大学が別途独自の学力試験を実施することも自由だ。

実行会議は近く、最終的な提言を安倍晋三首相に提出。その後、教育の専門家を集めた中央教育審議会文部科学相の諮問機関)で具体的な制度設計を話し合う。提言に実効性をもたせる仕組みづくりを考えなければ、「絵に描いた餅」で終わる可能性をはらんでいる。

産経新聞はほぼ同内容を10月5日に報道。

また、運にも左右される一発勝負型の試験では本質的な能力は測れないとして、複数回挑戦できるような仕組みづくりも検討。その後に実施する大学ごとの入試では、面接や論文を重視するよう大学側に求める。

2012年12月24日の朝日新聞の記事。面接試験は採点基準が不明確になる傾向があるのは否めない。

毎日新聞10月1日の記事。どうしてこういう報道しているのに、教育再生実行会議の提案に批判的観点を付け加えないのか不思議。そちらの方がおもしろい記事になるのに。

しかも、私立大入学者の半数は学力試験を経ない。文部科学省によると12年度の入学者に占めるアドミッション・オフィス(AO)入試利用者は10・2%(4万7210人)。推薦入試(40・3%、18万7361人)も合わせると5割を超す。

AO入試は「偏差値偏重」を見直そうと1990年代以降、私立大を中心に広がった。面接、作文など「人物重視」の入試とされてはいる。

だが−−。

「学力が厳しい生徒にはAOや推薦を勧めている」。関西の私立高の男性教師は打ち明ける。数年前、こんなことがあった。不登校気味の生徒の進路指導に悩み、いくつかの大学に電話をした。すぐに飛んできた入試担当者は開口一番「AOなら大丈夫です」。中には電話口で合格をほのめかす担当者もいた。

AO入試はローマ字読みして「青(青田買い)」とやゆされる。大学ジャーナリストの石渡嶺司さんは「少子化で、早く学生を確保したい大学と一人でも多く現役合格させたい高校の思惑が一致した結果」と言う。「入試はもはや選抜でなく形だけの儀式だ」

大学は学生の学力低下に直面する。文科省の調査では、高校までの内容を教える補習授業の実施大学は09年度で全体の35%。「入学前教育かリメディアル教育(中学高校レベルの学び直し)に取り組む大学は11年度で7割超」。研究学会はそう報告している。


毎ナビが行った就職内定率と入試制度のアンケート。

同調査は進路情報ポータルサイトマイナビ進学」と就職情報サイト「マイナビ2014」の合同特別調査。2014年3月卒業見込みの全国の大学生2,924人、短期大学生180人、専門学校生199人、大学院生485人の計3,788人が対象。今年8月にWeb上アンケートで実施された。

在学中の学校への受験は「一般入試」だった学生が51%と半数を超えた。学校種別にみると大学生は一般入試が50.8%、短大生は推薦入試(指定校)が40.8%、専門学校ではAO入試が36.9%となった。

受験時の入試方式と就職内定の関連性の質問では、一般入試で入学した学生の63.1%、センター試験利用入試で入学した学生の56.9%が内定を得ている。一方、推薦入試で入学した学生は51.6%、AO入試で入学した生徒43.6%が内定しており、入学時に学科試験を課せられる入試方式を選択した学生が内定の割合が高い傾向がみられた。

追記

観測完了。

下村博文文部科学相は11日の記者会見で、政府の教育再生実行会議が国公立大入試の2次試験で学力試験の原則廃止を検討するとの一部報道に関し「学力テストを否定しているわけではない。学問の府だから(試験を実施するのは)当然」と述べ、一律に廃止する考えはないと明らかにした。

ただ、「学力一辺倒の試験で良いのかが問われている。各大学は時代の変化に対応した入試改革に取り組んでほしい」と注文を付けた。

具体的な入試の在り方は「高校時代のリーダーシップを発揮した活動やボランティア活動など、学力以外でも総合的に判断する必要がある」と語り、面接や小論文重視の必要性をあらためて強調した。