loopさんへの返事

突然のコメント失礼いたします.

現在公立大学理系の四回生をしている者です.

現在,思い悩むことが多くなって,研究室を欠席し続けてしまっています.

まず研究の進捗状況が芳しくなく,担当教員に相談もしたのですが,どうしても打開できない現状です.

また,大学院の受験を考えていて,今所属している研究室と,もうひとつ違う大学院を受験しようと考えています.他も受けるかもしれないと教授には伝えましたが,具体的な大学院名は伝えていません.

それだけ懇意にしていただいているにもかかわらず,学校へ足が向かず,二回連続で進捗報告回を欠席してしまいました.恐らく呆れられてると思います.

これから進路についてさらに話をしないといけないのに,自分で旗色を悪くして情けない話です.

どうしても足が向かないのは「自分は研究に向いていないんじゃないか?」という思いが根底にあるからです.

論理的に考えることが苦手で,実験操作もヘタクソで......(修士の適正についてのエントリ読ませていただきました.書いてある通りのタイプでした.)だから余計に状況が悪くなると分かっていても,研究室に行くのが恐くて仕方ないです.

大学院もそのような思いがあるため,勉強も進まず,八方塞がりです.言い訳になってしまいますが,院試休みもなくて.

でもこのまま引きずるわけにもいかなくて.考えてばかりでどうしようもない状態です.

このような拙文になってしまい申し訳ありません.この場をお借りできたこと,非常に感謝しております.

もしなにかありましたら,返信いただければ幸いです.

4月から卒業研究を始めたばかりですので、正直なところ研究の面白みや醍醐味はわからないと思います。また、ご相談の文面からすると研究に付随する作業自体を楽しめていらっしゃらないようです。

論理的に考えることが苦手で,実験操作もヘタクソで......(修士の適正についてのエントリ読ませていただきました.書いてある通りのタイプでした.)だから余計に状況が悪くなると分かっていても,研究室に行くのが恐くて仕方ないです.

ですから、大学院への進学は研究がやりたいからではないと思います。ですので、大学院に進学することで得られると期待しているメリットを列挙し、それを眺めてみることをお勧めします(可能ならばご家族と一緒に眺めることをお勧めします)。たとえば、自分の分野では大学院に進んだ方が就職が良くなるとか、もう2年猶予期間がほしいとか、もう少し知名度の高い大学に移って学歴をよくしたいとかメリットが明確なものであるならば、そのメリットを享受できる分だけがんばればよいと思います。

もし、列挙できるメリットが特にないならば、大学院進学はやめたらよいのではないかと思います。進む先の研究室にもよりますが、一般的に大学院の方が研究中心の生活になります。このとき、研究があんまりにもしんどく感じるならば、大学院の修了は順調にいかないと思います。「今現在は」苦手な研究を我慢して大学院生活をすごすには、我慢するだけのメリットがないといけません。

研究できる人が偉いというわけではありませんから、「鉄棒はうまくできないから、長距離走がんばろう」ぐらいの感覚で嫌いじゃない方、あるいは得意な方に進路を切り替えていくというのは何の問題もないと思います。

また、以下の進捗方向を欠席したという話ですが、研究室主宰者(PI)ならば既に十数年の学生指導経験を持っていると思います。その十数年の経験からすれば、非常によくあること(配属人数にもよりますが毎年1〜4人ぐらいいる)です。多少あきれられていますが大したあきれ具合ではないと思います。私の場合ですと、風呂上りにビール飲もうと思って缶ビールを開け、飲み始めたら「うわぁ、冷えてない」というぐらいのガッカリ具合です。ちなみにこれが12月ぐらいの欠席になると、ためいき3発ぐらいに進化します。

それだけ懇意にしていただいているにもかかわらず,学校へ足が向かず,二回連続で進捗報告回を欠席してしまいました.恐らく呆れられてると思います.

ぜひ、こちらの事例集を読んでみてください。結構よくあることだというのがお分かりいただけると思います。

今は、悪循環になってしまっていると思いますので、まずは不安を言語化できる環境を手にいれて、体勢を立て直したらよいのではないかと思います。

  1. 学内のカウンセリングサービス or 家族に自分の不安を聞いてもらう(not 助言をもらう)
  2. カウンセラーや家族の手助けを得つつ、大学院に進学することで得られると期待しているメリットを列挙する
  3. 大学院に行くことに決めたのならば
    1. 指導教員に素直に大学院入試準備と実験を同時並行に勧めるのが精神的に厳しいことを伝え、大学院入試準備に専念させてもらう(あるいは実験を減らしてもらう)
    2. 大学院入試を頑張る(どうせ、あと2か月間)
  4. 大学院にいかないことに決めたのならば
    1. 家族と相談して今年度卒業するかしないか、就職活動するかしないか、就職活動がうまく行かなかったときにどうするかを決める
    2. 指導教員に進路変更を説明し、知恵を貸してもらう
    3. 決めたとおりに頑張る

研究の技術については「技術」ですから練習しないと向上しません。なので、誰でも最初は論理的に考えられませんし、実験操作も下手くそです。回数こなすしかないです。なので、そんなに気にしなくても良いと思います。

論理的に考えることが苦手で,実験操作もヘタクソで......

大学はお金払って間違える/失敗する権利を買っている場所ですから、遠慮なくどんどんと間違ったり、失敗したりしてみてください。

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