生活保護の不正受給を防ぐために許されるコスト増

3万人のうち1.8%が不正受給者なので、540人が不正受給者/月。審査を厳格にしないと発生する不正受給額は、51万円×540人=2億7540万円。よって、審査を厳格化することで実現できるロスカット額は2億7540万円。

一方で、審査の厳格化により明らかに審査コストは上昇する。審査コスト増がロスカットを超えるならば、経済的には意味がない(道徳的には意味があるかもしれない)。ロスカット分を3万件の申請で割ると、1申請あたり9,180円までが許されるコスト増の範囲。月給別に時間で換算すると以下の労働時間が許されるコスト増の範囲になる。

月給 時給 9,180円分の労働時間
20万円 1,250円 7.3時間
30万円 1,875円 4.9時間
40万円 2,500円 3.7時間

これに加えて通信費や役所外のコスト(申請者が支払う時間などのコスト、申請者の周囲の人が支払う調査に関するコスト)なども考える必要がある。また、審査を厳格にしても、全部の不正受給者を見抜けるわけではないので、実際のロスカット額が下がる。

以上、流行のフェルミ推定をしてみた。