5年間Webサイト内コンテンツの更新をしていないことが問題

さっぱり何が何やらわからない展開になっている森口尚史氏のiPS細胞の臨床応用の話で、ネット上で東大が証拠隠滅をしたという論調になっている。
Googleで「森口尚史 東大 削除」で検索すると以下のようなエントリーが見つかる。ちなみにどれも2chからの転載。

ちょっと引っかかったのが肩書。「特任助教授」となっている。日本では2007年4月から「助教授」が「准教授」に一斉変更された。東京大学国立大学法人なので、文科省からのこういう指示には速やかに従う義務がある。なので、「特任助教授」という職も「特任准教授」という職に2007年度末ぐらいまでには変更されているはず(たぶん、2007年4月には切り替えられていて、名刺やWebサイトなどの変更が2007年度一杯行われたはず)。

なので、東大が削除したというWebサイトは短くとも2008年4月から4年間更新されていなかったということになる。なので、東大の先端科学技術研究センターのWebサイトを管理している部署(事務なのか、教員なのかわからないけど)で、こんな展開になったのだと思う。

  • 部下:「なんか、ネット上でうちのセンターが話題になっています。森口尚史さんがうちに在籍していたというのが云々」
  • 上司:「えっ?今、そんな先生いる?」
  • 部下:「今は在籍されていません。その先生のページが残っちゃっているようです。」
  • 上司:「いつから?」
  • 部下:「2008年ぐらいからです」
  • 上司:「もう、4年前じゃない。本来は在籍しなくなった段階で消すべきなので、消しちゃってください。ついでにほかのページも確認しておいて」
  • 部下:「了解です。やっておきます」

なんでこういう想像するのかというと、典型的にやっつけ仕事だから。先端科学技術研究センターのドメインの下に以下のページが残っている。証拠隠滅するなら、もう少しがんばるのではないかと。

このページの更新は「2003年3月15日 18:54:00」とありますので、いつの段階でかCMSでの管理に移行したのだと思う。そして、現Webサイト管理者は過去のことをしらないと(学生がWebサイト管理していたりすると、引き継ぎミスでこういことはままある)。

なので、東大が証拠隠滅を図ったのではなく、騒ぎを起点として自分のところのWebサイト更新がここ数年ちゃんとしていなかったのでこれを機に行ったのではないかというのが私の結論。あとは、東大ほどの規模でもWebページ更新とかは人手が回らないのねというのもある。そして、Google先生怖い。

追記

毎日新聞:iPS細胞:日本人研究者の「初の臨床応用」に疑義

00〜09年に在籍した東大先端科学技術研究センターのホームページによると、森口氏は95年に東京医科歯科大大学院を修了。その後、99年まで財団法人医療経済研究機構やマサチューセッツ総合病院客員研究員を務めたことになっている。08年4月から09年3月まで同センター特任教授だった。同センターは11日、「現在は在籍していないため」と森口氏の経歴をホームページから削除した。
(強調はnext49)

2009年までいたのか。そうするとコンテンツの更新タイミングは2007年4月に1度(特任助教授→特任准教授)、2008年4月に1度(特任准教授→特任教授)、2009年4月に1度(任期切れ)と2012年10月まで3回あったのだけど、すべてしなかったと。まあ、大学のWebサイトって片手間で作っているからこんなもんだよね。