四面楚歌にならないことが一番重要なことなのだと思うけど、不特定多数へ向けたメッセージで、かつ、このメッセージを採用することで致命的な状況に陥らないことを考えると、自分ひとりでできることを第一歩にするのが最も適切なんだろうなと考えさせられた。家族は味方であってほしいけど、そうじゃない状況もあるものねぇ。
うそをついてください。
まず仮病(けびょう)を使おう。そして学校に行かない勇気を持とう。親に「頭が痛い」とでも言って欠席すればいい。うそは、あなたを守る大事な魔法(まほう)。人を傷つけたり盗んだりするのでなければ、うそって大事よ。これからも、上手(じょうず)にうそついて生きていけばいいんだよ。
〜中略〜
学校は、いじめられてつらい思いをしてまで行くようなところじゃない。長い夏休みだと思って、欠席してください。そして、16歳まで生き延びてください。
〜後略〜
赤ちゃんと僕という漫画の67話と68話に臨時採用教師の寛野先生がでてくる話があるのだけど、その先生がクラスを去る時の言葉
「みんなもすでに知ってると思うけど
僕は前の学校で生徒を一人亡くしましたワイドショーで取り上げられたけどその生徒はいじめで自殺しました
そこでも僕は今回のような臨時講師で
彼との付き合いは短かったけどきっとこの先彼を忘れることはないと思う
彼はいじめの事を誰にも言わなかった
言いたくなかったんだ
彼は恥ずかしいことだと思っていた『僕は人間として扱われてません」だなんて…
プライドが邪魔をしている様だけど
どーして言える?
そのプライドは本来だれにでもあるものなんだそう 人間としてこんな屈辱はない
暴行を受け
痛いのは体のはずなのに
彼は
心の方をずっと痛めていた」
上のセリフを言う途中のカットに寛野先生がこのいじめられている生徒に話を聞いたとき「先生、僕は可哀想じゃないよ」と生徒に言われて親身になって相談にのってあげているつもりの自分が知らないうちに「可哀想な生徒を助けてあげる」という優越感を持っていたことにショックを受けるシーンがある。このエピソードを読んだとき、自分がいじめられていたときを思い出し、これが常に成り立つ真理じゃないけど一面をとらえているような気はした。
「他人に相談すればよい」というのは有効なアドバイスなんだけど、でも、適切なアドバイスとは限らない。難しいものだ。