研究を通して学んだことが役に立たないという幻想

ここ5年ぐらい私の所属学科で卒業生・修了生にアンケートとっているけど、例年、半数ぐらいの学生が「研究室に配属されてから学んだことは学部3年までに学んだことに匹敵する」と言っている。じゃあ、3年生までの教育どうなっているんだという意見もあろうけど、卒業研究および修士研究を通して学ぶことは大きいみたい。

研究テーマそのものに対する専門知識は、分野違いに進むとまったく使わないかもしれないけれども、卒業研究および修士研究を通して学んだメタ研究技術・知識は、創造的作業が要求される仕事において、ずっと役にたつ。というか、それが基礎技術・知識だったりする。そして、効率改善や顧客開拓、新サービスおよび新製品の創出が求められるかぎり、どんな職種であっても創造的作業は常に要求される。

私も研究室の卒業生・修了生から「会社に入っても役に立っている」というお褒めの言葉をいただいている(卒業時には教員に不平たらたらだった学生からでさえも)。

このエントリーに書いてあることは学生の立場からみるとそうなのだろうなぁと思うけれども、就活するから研究しないという理由の裏付けとして卒業研究・修士研究時の悪循環を防ごうを出されると、ちょっとなぁと思う。