うつっぽ改善案

ゆううつ部:「うつっぽ」リリースについて、遠藤さんと東藤のメールのやりとりを公開します。を読む限り、何があろうとサービス停止する気はないという決意を感じましたので思いつく改善案を提案します。できれば、一度停止してリスタートした方が良いとは思いますが。

なお、私の基本的な考えは動機は素敵だけど手段としていまいちでは?:うつ通知サービス“うつっぽ”というエントリーのタイトルどおりです。1週間で作って良いサービスじゃないと思います。

5月15日、U2plusが公開した「うつっぽ」は隣人のうつを家族や友人が発見し、本人にそっとお知らせするメール通知サービス。そしてこのサービスの実現をサポートしたのが「新しいビジネス・ウェブサービスを立ち上げまくる集団」liverty。立上げまでに要した期間はたったの1週間だ。
周囲の「うつ」予兆を知らせる”うつっぽ”公開ーー「立上げまくる集団」livertyが1週間でサービス化より)

以下、改善案です。

千葉大学の小堀修先生および清水 栄司先生に専門家の立場からレビューしてもらう

5/17に私がつぶやいた「うつっぽは、ここに専門家としてコメントを寄せている千葉大学の小堀修先生、千葉大学大学院 医学研究院 認知行動生理学教室 教授 清水 栄司先生の助言を得ているのかな?」という疑問に以下のようにお答えいただいておりますが(前後の数ツイートをうつっぽについてのつぶやきにまとめました。)

.@next49 うつっぽは両先生の監修を受けていません。そもそも認知行動療法ではなく、診断を受けてもらうためのツールなので。
Twitterより)

せっかく専門家とのツテがあるのですから、レビューしてもらうべきだと思います。

たとえば、5/27現在トップページに

  • ここで入力されるメールアドレスがうつっぽに保管される事はありません。ご安心下さい。
  • 親しい関係の方であれば、一緒にストレスチェックをして直接相談にのってあげてください。
  • うつっぽメールを送る対象は、「がんばりすぎていて心配な人」であり、既にうつ病の方は対象としておりません。

とありますが、このサービスを使う対象は「素人」です。「がんばりすぎていて心配な人」と「すでにうつ病の人」の区別はつかないことが多いと思います。特にうつ病の方は自分がうつ病であることを隠そうとされることが多いと思いますので、より区別はつきにくいと思います。

サービス利用者が「がんばりすぎていて心配な人」と「すでにうつ病の人」の区別がつかないならば、サービスが成り立たないはずです。この問題を解決するには専門家知見を入れて「メールを送ってはいけない人」がわかるフィルターを作る必要があります。

メディア露出が増えれば増えるほど、スクラップ&ビルドが難しくなりますから、まだメディア露出が少ないうちに致命的な部分を改善した方が良いと思います。

複数回送信の防止

システム上どうなっているのかわかりませんが、多くの人が懸念している点が「いきなりたくさんのメールが来る」という点です。ですので以下のように改良した方が良いと思います。

  1. メールアドレスをハッシュ化して保存しておき、すでに送信済みの場合はもう一度送らないようにする
  2. もし、気にしている人数という点もどうしても伝えたいならば送信要求が一定数を超えたときにフォローという形でメールを再び送ればよい(その時に心配している人の人数も付記すればよい)

現在は迷惑メール防止のため同一IPから複数回送れないようになっているようですが、そちらの対処だけでなく大量の善意が迷惑に変わるという現象も防ぐべきだと思います。

送信停止手続きの追加

このようなメールが送られてくること自体が嫌である人のために送信拒否機能を追加するべきです。この機能は”うつっぽメールを送る対象は、「がんばりすぎていて心配な人」であり、既にうつ病の方は対象としておりません。”という方針に合致していると思います。

  1. 送信拒否を希望する人のメールアドレスをハッシュ化し保存しておく
  2. すでに同メールアドレスがハッシュ化された保存されているならば、以後、送信要求を無視する
  3. まだ保存されていないならば、送信要求があったときにそれを無視する(場合によっては送信要求者に「もう、気づかれているようですよ」とアナウンスしてあげてもよい)

携帯電話メールアドレスを配慮した時間指定送信

はてな匿名ダイアリー:早朝にstudygift運営グループからメールで叩き起こされたが本当かどうかはわかりませんが、重要なポイントが示唆されていると思います。電子メールは手紙の発展系から電話の発展系へと変化しています(参考:携帯メール世代とPCメール世代が仲良く生きていくために)。PCメールアドレスへのメールも携帯電話に転送する人は多いです。

また、うつっぽのトップページでも書かれているようにうつの方は睡眠がうまくとれないことが多いと聞きます。ぜひ、専門家の方のアドバイスをもらいメールを送るのに適切な時間にメールを送るようにしてください(メールが非同期通信である特性を利用しましょう!)。このためにはメールアドレスを一時的に保管する必要がありますが、理由を明記すれば多くの方が納得してもらうと思います。

チェックリストの改善

タチット:うつ通知サービス”うつっぽ”を使ってみたらウツだったWhatever:うつっぽってもしかしたら、欝病生産システムなんじゃないんですか?で懸念されているのがチェックリストです。私もやってみましたが、ちょっと簡易すぎると思います。

もちろん、ビジネスですからU2Plusの利用者を増やすという目的を満たすためにチェックリストを自社制作にするのはわかります。が、このチェックリストがその人の今後を変えてしまう恐れがあるならばしっかりと作るべきだと思います。また、作りこみはチェックリストの診断結果の信頼度にもかかわると思います。

少なくとも以下の既に作りこまれている(あるいは何らかの理屈に基づいている)チェックリストも紹介してはいかでしょうか。

関連リンク

以下、5/21以降に見つけたエントリー