動機は素敵だけど手段としていまいちでは?:うつ通知サービス“うつっぽ”

鬱に限らず精神病は、初期のうちに医者にかかり治療を始めると本人もまわりもとっても楽になるから動機は素晴らしいと思う。でも、このやり方はまずいように思う。

  1. うつ病っぽい人の名前とメールアドレスはプライバシー情報過ぎる
    • いくら保管しないといっていても、こんな微妙な情報を第三者に提示するのはあまりにも怖い
  2. 突然、見知らぬアドレスから「あなた、鬱じゃない?」というメールが届くのがうつ病の可能性がある方にとって良い効果を及ぼすのかどうか?
    • せめて、専門家の見解が欲しいところ

このサービスは、U2Plus:うつ×認知行動療法×WEB×セラピストという有料サービス利用者の増加を狙ったものであるのだろうけど。別にこういうサービスがあるのは悪くないのだけど、本人でなく他人にプライバシー情報を提供させているのが怖い。そして、保管しないといっていても、その情報自体がこのサービス提供者本業にとって価値ある情報であるのは、疑念を招く原因になると思う。求むさらなる工夫!

専門家のアドバイス利用規約の差も気にはかかる。

第10条(サービスの利用)
1. このサービスは、医行為を行うものではありません。診療行為又はこれに準ずる行為を目的として利用することはできません。
本サービスにおける協力セラピストによるアドバイスは治療行為ではありません。利用者はこのことを十分認識した上で自己の責任において本サービスを利用し、必要ならば適切な医療機関の受診等、自身の判断で行ってください。実際に医療機関を受診する際も、治療方法、薬の内容等、担当の医師によく相談、確認するようにお願い致します。
本サービスの利用、アドバイスにより何らかの不都合、不利益が発生し、また、損害を被った場合でも、弊社はそれに対し一切の責任を負いませんので予めご了承ください。医学的診断や治療の代わりに本サイトを使うことは避けてください。
うつや不安のためにつらくなっている人、仕事や日常生活に支障がでるほどになっている人、 死にたくなるほど追いつめられた気持ちになっている人は、すぐに、医療機関や自治体や保健所の相談機関に相談してください。
なお、医行為とは、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、 又は危害を及ぼすおそれのある行為、あるいは、医学上の知識と技能を有しないものがみだりに行うときは、 生理上危険がある程度に達している行為、と規定されています。
本サービスは軽度〜中程度のうつ、もしくは、適応障害の方を想定しています。
不安障害や統合失調症など、他の精神疾患は対象としておりません。
重度のうつや危機介入の必要性を示唆する書き込み(希死念慮など)、他の疾患を示唆する書き込み(「正体不明の声が聞こえる」「手洗いを何時間もしてしまう」など)は、運営者の判断で削除したり、退会を勧告する場合があります。

2. 弊社は、アドバイスを行う者が有資格者あるいは資格取得見込み者であることを弊社が定めた一定の基準に従い確認していますが、必ず有資格者あるいは資格取得見込み者であることを保証するものではありません。弊社の確認基準を超えた、故意の成りすましや協力セラピスト用IDの盗難、貸与などにより、有資格者あるいは資格取得見込み者以外の者により、有資格者あるいは資格取得見込み者としてアドバイスがなされた場合の責任は負わないものとします。

3. 有料正会員は、U2plus協力セラピスト及び他の会員に対し、毎月弊社が規定する回数のコラムの投稿が可能ですが、弊社は、必ず協力セラピスト又は他の会員による回答があることを保証するものではありません。

4. 会員は、本サービスにおいて投稿する内容につき、一切の責任を負うものとし、弊社に何等の迷惑及び損害を与えないものとします。

5. 本サービスの利用に関連して、会員が他の会員もしくは第三者に対して損害を与えた場合、又は会員が他の会員もしくは第三者と紛争を生じた場合、当該会員は自己の費用と責任で解決するものとし、弊社に何等の迷惑及び損害を与えないものとします。

6. 本サービスには、第三者によって、又は第三者のために設けられた広告が含まれるものとします。これらの広告には、他のサイトへのリンクを含んでいる場合がありますが、これら第三者のサイトは弊社の管理下にはなく、弊社はこれら第三者のサイトについての責任は負わないものとします。

7.本サービスより情報提供及び広告などを目的としたメールを配信することがあります。メール配信については、サイト内の問い合わせフォームから停止依頼をすることができます。

追記:センシティブな話はもう少し時間かけた方が良いと思う

以下のエントリー読んで一層不安。動機はよいのに!下手するとその人の一生を左右してしまうような話はもう少し時間がかけた方が良いと思う。アジャイル的手法が使えるのは失敗しても繰り返せる環境にあるから。実際にうつ症状の人を身近に見た経験から言うと、そんなに気楽な話じゃないと思う。立案者の方がうつ病克服した30歳、匿名メールでうつ予備軍を救うとのことなので、私が言うことでもないけど。

5月15日、U2plusが公開した「うつっぽ」は隣人のうつを家族や友人が発見し、本人にそっとお知らせするメール通知サービス。そしてこのサービスの実現をサポートしたのが「新しいビジネス・ウェブサービスを立ち上げまくる集団」liverty。立上げまでに要した期間はたったの1週間だ。