専門家の知見を聞く姿勢にある素人にわかるレベルに落とし込むフォーマット

CBSで4月30日に放映されたものとのこと。

内容も興味深いけれども、このインタビューフォーマットが勉強になる。

  1. あるテーマの専門家:質問に回答する形で自分の知見を提供する
  2. 準専門家 or ある分野(≠テーマ)の専門家:インタビューアーとして機能する。NHKで言えば解説委員にあたると思う。池上さんも本来はこの立ち位置のはず。専門家の得意・持ち味の部分を踏まえたうえで質問をし、現在の興味・課題と専門家の知見を組み合わせる
  3. 聞く姿勢のある素人:そのテーマに興味ある素人の代弁者として機能し、対談が聴衆の理解・興味の外に行くのを防ぐ。そのテーマに興味がもてる程度の知識が必要。

今もやっているかわからないけどテレビ朝日の日曜朝にこういうスタイルをとっていたような気がする(あるテーマの専門家に政治家、準専門家に田原さん、素人に島田伸介さん)。池上さんの番組は専門家なしで、準専門家の池上さんと素人のタレントの方々で構成。NHKやBSでよくやっているのは専門家と準専門家のセット。

専門家のみで話すと、どうしても同じ専門家向けの話し方になってしまい、正確だけどわからない話になる。そこで、専門家よりは知識が劣るが専門家が何を専門としているのか、また、素人は何を知りたいと思っているのかをつなぐ役目が必要となる。でも、準専門家の知識も素人よりは多いので、そのままだと難易度が上がりすぎる。そこで、もう一枚サブのインタビューア(質問者)として素人を配置しておく、安全弁として働くことができる。

テレビ番組やラジオ対談などは、事前準備および素人たる制作の目があるので、聴衆たる素人の理解・興味からはみ出すことはすくないだろうけど、事前準備をあまりとれない、かつ、制作側が専門家や準専門家である場合は、この3人フォーマットの方が安定的に運営できるのではないかと思う。

この3人フォーマットのポイントは以下のようになるのではないかと思う。

  1. 専門家は質問の枠内で話し、コメントを短めに切り上げる(高々3分くらいが良いのではないかと思う)
  2. 準専門家は自説を述べすぎない(専門家を呼んだ意味がなくなる)
  3. 素人は躊躇なく質問する。ただし、サブの質問者であるということを自覚する

以上、メモ。