デフレ&円高の影響じゃない?

産業構造の変化はいかんともしがたいところだと思うけど、国内で生産しなくなったのは円高の影響が大きいんじゃない?

2012年4月16日、英ロイター通信は「日本人技術者が中国で『第2の人生』を送る」と題した記事で、1980年代の勢い盛んな日本企業を支えた技術者たちが今、数千人規模で発展著しい中国に新天地を求めていると報じた。

ロイターの元記事も日本語訳されている(なんで、MSNがへんてこな抄訳を掲載したのかがなぞ。というか、ロイター通信から文句言われないのかな?)

〜前略〜
[日本からの「頭脳流出」が初めて問題になったのは約20年前。サムスン電子といった韓国企業が、日本の大手電機メーカーから多数の半導体や白物家電の技術者を引き抜いた時期だ。こうした人的資源の流出も手伝って、韓国企業はその後、世界のトップメーカーに躍り出た。

〜中略〜
アナリストらは、中国で「第二の人生」を見出した日本人技術者の多くは、日本企業に即刻、致命的な打撃を与えるほどの先端技術を有しているわけではないとの見方を示す。しかし、彼らの流出は高品質の製品を効率的に生産するノウハウを中国企業に与えることにつながり、長期的なインパクトは深刻なものになる恐れがあると警告する。

中国政府は国内企業による技術革新を奨励しているものの、専門家の間では暗記学習を重視した教育システムがその障害となっていると見る向きも多い。このため、社内で人材を育成する代わりに、そうした資質を社外から「買う」ことで当座の解決を図る中国企業が多いという実態がある。

〜中略〜

供給があり余っていることがその一因だろう。日本の人口の10分の1近くを占める数百万人の「ベビーブーム」世代は定年を迎え始めており、その中には多くの技術者も含まれる。

金銭的理由だけではない。日本での定年を迎えた後も働き続けたいという思いから、多くの技術者が中国に移り住む誘いを受け入れている。

会田さんは中国企業の簡素な会議室で一服しながら、「日本にいた時より長時間働いているが、給料は日本より今は少ない」と打ち明けた。
〜後略〜

上はリタイア間近およびリタイアした世代。でも、現役バリバリも引き抜き加速中とのこと。

〜前略〜

「リストラの嵐」が再び吹き荒れている日本の電機業界。2008年秋のリーマンショック後に1万6000人の人員削減を実施したソニーは12年度中に1万人削減に踏み切る。パナソニック三洋電機パナソニック電工の完全子会社化に伴い、10―11年度の2年間で3万人以上を削減した。再建に向けて事業選択と集中はやむを得ないが、「優秀な人材まで敵に流れることにはならないか」(業界関係者)との懸念も出ている。

先のヘッドハンターは、「その場しのぎのリストラは自らの首を絞めかねない。やむを得ず手放す技術者でも、せめてグループ内の子会社やサプライヤーに再配置するなど自社に利益を還元できる場への移籍にとどめるべきではないか」と話す。経済産業省・知的財産政策室の石塚康志室長は「今は自分たちに必要なくても、競合にとって価値ある技術を持つ人材かどうかを分析するなど、日本企業は目に見えない人的資産の棚卸をもっと緻密にすべきだ」と指摘する。

〜後略〜

ボディブローのようにデフレ&円高放置が効いてしまっているという例に見える。