hanaさんへのお応え

何を二重投稿および二重掲載とみなすかは分野によって大きく変わります。ですので、このエントリーの意見はあくまで私の個人的な意見であり、この話が自分の将来にかかわるのでしたら先輩研究者および教員に相談されることをお勧めします。

ある財団の研究費を受け、研究を行った。その全体の結果を代表者の方(私が共著者として)が財団発行する研究報告書に提出し、後にその年度の報告書に載せたました。そして、私は大学紀要に自分が担当する部分を手加えてから執筆者として(研究代表者も含めた共著)投稿し、載せました。紀要に載っているのが報告書の文章の一部と同じです。(私実際担当した部分(外国での調査結果)、記述文面と結果の表は同じです。)それで、二重投稿にはなりますか。ちなみに、その財団に問い合わせをしたところ、紀要に投稿するのが構いませんとの回答です。紀要を出版する大学にとっては二重投稿のことですか?私にとって、とても大事な事で、ぜひご教示をお願いしたいと思います。
原著論文と調査論文と学位論文の違いへのコメント)

報告書の執筆者と報告書の発行元の財団の承諾をとれているのでしたら、基本的に大丈夫だと思います。ですが、所蔵機関の紀要投稿規定をよく読み、以下を確認した方が良いと思います。

  • 投稿できる論文の条件
  • 他の論文に掲載されている図や表の利用についての取り決め

投稿できる論文の条件として「未発表の研究成果」を要求しているならば、使用したデータは同じとしても、切り口や考察対象を変更して、報告書に記載されている内容からは3割〜4割程度書き換えて内容を充実させておくのが無難だと思います。また、参考文献としてその報告書を使っておけば、より誠実だと思います。

図や表が報告書に掲載されているものと同じであるならば、報告書の著作財産権(おもに複製および配布の権利)を持っている人・組織に掲載の許可をとっておけば安全だと思います。掲載の許可をとるのが面倒および、より問題がややこしくなるならばデータを充実させたり見栄えを変更して一から作り直した方が無難です。

以下、ご参考まで。