TOEIC的センター試験にして年4回実施して欲しい

大学入試センター試験を難易度別に2種類にする検討を、独立行政法人大学入試センター」が始める。新しい学習指導要領で学んだ高校3年生(現在の中1)が受験する2016年1月実施が目標になる。えり好みさえしなければ誰でも大学に入れる「全入時代」が迫り、受験生の学力の幅が広がったことなどから、1回1種類のセンター試験で学力をつかむのが難しくなったためだ。

毎年、センター試験の試験監督に駆り出される立場から一言「現場が限界ですので勘弁してください。」リスニング導入の段階でかなりしんどい。さらに、センター試験を複雑にされても対応できない。絶対にミスをして、センター試験翌日の新聞一面を飾ると思う。

そうではなくて、TOEIC式に到達度を測る試験にしてほしい。その後は、大学が二次試験でどうにかする。具体的には、TOEIC式に到達度を測る試験とし、年4回ほど実施して、各大学が二次試験受験資格をXX点以上と定めればよい。年4回試験を行うと試験問題が足りなくなる可能性があるが、共通一次試験時代からの資産である過去問をフル活用すればどうにかなるのではないかと思う。

「過去問全部暗記できたら簡単に高得点とれるじゃないか」という意見に対しては、過去問全部暗記できるぐらいの人はぜひ大学に進んで欲しいのでそれで構わないとお答えする。創造性や独創性をセンター試験で測ろうというのがそもそも間違い。創造性や独創性を見たいならば、各大学が二次試験でそれが測れる試験をやればよい。センター試験は基礎学力があるかどうかを判断する材料であれば十分。

社会は、大学から一定以上の学力および能力を持った人間が輩出されることを期待している。そのため、大学卒業時に試験を課すという話まで登場した。

一方で、少子化&大学増加&不況による経営悪化により、大学の定員数は増えて、社会が(当人や保護者がではない)本来は大学に入るべきではないと考えているような人たちが大学に進むようになって、今回のセンター試験を二種類にするという話がでている。

ならば、大卒に試験を課すより、大学に入る前に選抜してしまうのが筋でしょ?また、毎年、センター試験があんなにピリピリするのは、年に1度しかチャンスがないから。年4回チャンスがあれば、みんながあんなにピリピリする必要はない。TOEICの年間受験者数は160万人くらい(TOEIC: 2007年度TOEIC®テスト受験者数 163万5千人に)、センター試験の受験者数は60万人弱(大学入試センター:志願者数及び受験者数等)。4月、7月、10月、1月に試験を実施すれば、TOEICの年間受験者数と同じ程度になるのではなからおうか(4回60万人全員が受けるとは考えにくい)。

今のセンター試験の受験料が3教科以上で18,000円くらい、TOEICの受験料が8,000円弱。試験環境の公平性やとりあつかいの厳密性がセンター試験の方が高くなるとはいえ、税金の補助がある程度はいればTOEICと同じように試験運営ができるのでは?年4回実施なら、ミスに対して大目に見てもらえると思うし(受験料を返還&謝罪&次回無料受験ぐらいで許してもらえるのではないか)。

場合によっては、到達度式のセンター試験の高得点者を対象として、大学バウチャーを発行するのも良いと思う。その学生は、どこの大学に入ろうが二次試験受験料&学費&入学金は国が払う(日本学生支援機構が払う)とする。貧困世帯に対しては、センター試験の受験料を免除することとして。世帯収入とセンター試験の得点は正の相関を示すのは、ほぼ確実だけどチャンスはあった方が良いし。

追記:既に論破されていた

書いてから見つけたのだけど、10年前に私の考えるようなことはすでに反論されていた。