続:東北大院生自殺

以下の続報。

東北大大学院理学研究科で博士号取得を目指していた院生の男性(当時29歳)が2008年に自殺したのは、担当だった男性准教授(53)(辞職)が適切な指導をしなかったのが原因として、岡山市に住む男性の両親が18日、同大学と元准教授を相手取り、計約1億円の損害賠償を求める訴えを岡山地裁に起こした。

訴状などによると、元准教授は06年11月頃、生物の進化について研究していた男性に、博士論文の提出を延期するよう指示。さらに、07年12月に博士論文の草稿を提出した男性と十分に議論せずに受け取りを拒否した。男性は2年連続で博士号取得に失敗、うつ状態となり、08年8月に自殺した。

両親の指摘で内部調査をした大学は、男性の研究は博士論文の審査水準に達していたと判断。昨年7月、指導が不適切だったとの調査結果を発表し、元准教授を「停職1か月相当」としたが、元准教授は処分の前の同5月に辞職した。

両親側は訴状で「(息子は)研究者として第一歩を目指すために不可欠な学位取得について、見通しを持つことができず、悲観して自殺した」とし、また、大学については「元准教授の能力や実績不足を知りつつ、漫然と指導を委ねていた」と主張している。

大学側は「提訴については承知していないので、コメントを差し控えたい」としている。
(2010年6月18日14時51分 読売新聞)

東北大学仙台市)の大学院生が2008年8月、担当の准教授(当時)に論文を差し戻された後に自殺した問題で、岡山県内に住む両親が18日、「不当に論文の受理を拒まれ、将来を悲観して自殺に追い込まれた」として、元准教授と大学に計約1億円の損害賠償を求める訴えを岡山地裁に起こした。

訴えによると、自殺したのは理学研究科博士課程に在籍していた当時29歳の男性。07年度内の博士号取得を目指して、07年12月に博士論文を指導担当の元准教授に提出したが受け取りを拒否され、08年8月に自殺した。

両親は訴状で、「06年も論文提出を見送るよう要求され、博士号取得が2年も遅れた。元准教授は論文の問題点やその対処法を指示するなど、具体的な指導をすべきだった」と主張している。

男性の自殺後、元准教授の指導不足を問題視する両親の指摘を受け、大学は調査委員会を設置。元准教授の過失を認め停職1カ月の処分を決めたが、元准教授は処分を受ける前に辞職した。

東北大学は「提訴を承知していないので、コメントを差し控えさせていただきます」としている。

08年に自殺した東北大大学院生の男性(当時29歳)の岡山市に住む両親が18日、自殺は担当の元男性准教授(53)の不適切な指導が原因だとして、東北大と元准教授に約1億円の損害賠償を求め、岡山地裁に提訴した。

 訴状などによると、男性は理学研究科の博士課程3年目だった06年、元准教授から論文提出の延期を指導された。07年12月には提出が認められなかった。男性はうつ状態となり、学位取得に見通しが立たないことに絶望し、08年8月に自殺したとしている。

 東北大の調査委員会は09年4月、「独断で2年続けて論文受け取りを拒否するなど、重大な過失があった」との報告書を発表。元准教授は翌月、自主退職した。

 両親の代理人弁護士は「元准教授の処分にに関する報告書の開示を求めたがほとんど拒否された。裁判を通じ明らかにしたい」と話した。東北大は「提訴を承知していないので、コメントを差し控えたい」としている。【石井尚】

平成20年8月、東北大大学院理学研究科に在籍していた男子大学院生=当時(29)=が自殺したのは、指導教員だった元准教授(53)のアカデミックハラスメントがあったためとして、岡山県に住む両親が18日、東北大と元准教授の男性に計約1億円の損害賠償を求めて岡山地裁に提訴した。

 東北大は昨年4月「指導に重大な過失があり、自殺につながった」とする報告書をまとめていた。元准教授は昨年5月に辞職した。

 訴状によると、大学院生は19年、元准教授に博士号取得のための論文を提出したが受理されず、その後も添削や具体的な指導を受けられなかった。このため将来を悲観、自殺したとしている。

 原告側弁護士は元准教授の処分に関する報告書などの開示を求めたが、東北大は拒否している。

 東北大は「提訴について承知していないのでコメントを差し控える」とした。