技術文書作成技能を磨けばOK

私が英語学習を通じて学んだ論理的な文章の書き方で、

酒井さんから指摘があったように、私は文章の書き方は英語で学びました。ですので「文章を構造化(主張+証拠+結論)すること」はいつも意識しています。私は大学受験時代に英文読解を効率的に行う「パラグラフリーディング 段落読み」という手法を通じて、この「文章を構造化(主張+証拠+結論)すること」を学びました。

と述べられているけれども、論理的文章の書き方だけを学びたい場合には、英文読解をしたり、英語で文章を書かなくても学べる。ただし、日本語文章の特徴や日本のこれまでの国語教育の特徴を知った上で、論理的文章がかけるように練習したほうが効率的なのは確か(スポーツで自分のフォームをビデオでとり、客観的にみるのと一緒。ネイティブな日本語話者は日本語になれすぎていて何が問題なのかもわからない)。

私が読んだ本の中では、以下の本がとても参考になった。

どういう文章が「論理的」であるかについては以下の本がよかった。

実際にどう書くかについて(文書の構成や文章の組み立て方)については、いわゆる「理系」の論文の書き方の本を一冊読み、自分の卒業論文修士論文、レポートを書き直してみるとかなり学べると思う。たとえば、以下の本などは役に立つと思う。

以下の本は、英語論文の書き方の本だけれども、日本人の研究者向けに日本人が分かりづらいと感じる部分を丁寧に解説しているのでとても役にたった。ただし、一度、論文(技術報告書)を書いた人ではないとピンとこないかもしれない。

ついでに、論理的文章を書くために論理学を学ぼうという主張はあるけれども、個人的にはその方法は手っ取り早くないと思う。理由は、論理学で扱っている証明や推論の妥当性とわれわれが日常的生活で扱っている証明や推論の妥当性は微妙に異なるため。論理学はわれわれが日常的生活で扱っている証明や推論を抽象化し、体系的にその性質を調べる学問であるため、論理学で学んだことと日常生活で扱っていることの間にギャップが存在し、そのギャップを埋めるのはかなり難しい。

こちらのエントリーで読書猿Classic: between / beyond readers:論理学は思考の「高地」トレーニング」である/ロジック・アズ・ブロックバスターと紹介されているように「高地トレーニング」だと思う。論理学を用いて自分の文章を論理的にしたいと思う人は、命題論理に関して、文(命題)の真偽が文の構造に由来するものと、個々の文の構成要素に由来するものの双方から成り立つこと、また、証明や推論の妥当性も、個々の文の真偽のみならず、証明や推論を構成する過程の構造によっても変わることが理解できれば十分だと思う。