提案:図書館の利用を目的として研究生制度の導入

以下の続き。

課題の整理

課題は大きくわけて3つ

  • 学内利用者へのしわ寄せ
  • 大学職員や図書館員の負担増
  • 電子雑誌の契約料の上昇

そして、これへの現在の対処法が無給研究員と研究生だったのだけど、こちらの方法の欠点は以下のとおり。

  • 当該大学の教授・准教授(指導教員になれる資格を持つ教員)の知り合いが必要である
  • 図書館と学内LANを使う目的からすると研究生の授業料が高い
  • 図書館と学内LANを使う目的からすると研究生の提出する書類が多い

提案

利用者が増えるということは大学および大学図書館にとっては負担が増えるということなので、これに対して代金を支払ってもらうというのが前提。その前提からすると研究生は良い制度。ただし、手間と金銭的コストの観点から研究生にはなりにくい。

そこで、図書館の利用と学内LANの利用に権利を制限した研究生制度(以下、制限研究生)を新たに導入することを提案する。制限研究生制度は以下のようにする。

  • 基本的に制限研究生は半期ごとの入学(契約)とする。
  • 制限研究生の受け入れは以下の点がクリアできれば基本的に受け入れるものとする(指導教員が不要とする)
    • レンタルビデオ屋で会員証をつくれる程度の身分証明書を持っている
    • 授業料が半期分前払いできる(授業料免除を認めない)
  • 授業料は半期3万円〜6万円(年間6万円〜12万円)とする
  • 学割は出さない
  • 在学証明書は出さない(留学生のビザ対策にさせないため)
  • 図書館の利用は博士課程学生と同等にする
  • 学内LANの利用権を与える(ただし、契約期間が終わったら失効)

制限研究生制度の利点

ほとんど詭弁だけど「学内利用者へのしわ寄せ」と「電子雑誌の契約料の上昇」を回避できる。制限研究生は「学内利用者」なので「他の学内利用者へのしわ寄せ」となるだけ。電子雑誌についても、多分、現状では無給研究員の数や研究生の数は契約料に反映されていない(そんなの事前にわかるはずない)。よって、制限研究生は単なる研究生受け入れと同等に扱うことにすれば良い。

「大学職員や図書館員の負担増」については、完全には解決していないがほぼ無視できるはず。なぜならば、研究生が授業料を払うこと、半期ごとに学籍を管理すること、学籍がある学生に対して図書館業務を遂行すること、学籍がある学生に対して学内LANが利用できるようにすることは、大学では毎年行われており、そのノウハウや人員、部署は既に整備されている。しかも、数百人〜数千人レベルでその業務を毎年行っているわけなので、制限研究生が年間数十人増えたぐらいではほとんどコストにならないはず。

「おいおい、なんで年間数十人と決め付けるんだ?」という質問に対しては、「大学図書館と学内LANを利用するためだけに年間6万円〜12万円払う奴が百人オーダーでいますか?」と質問返ししたい。ディズニーランドの年間パスポートが7万5千円くらい。あんなに楽しいところなのに、みんながみんなディズニーランドの年間パスポートを持っているわけではない。よって、どうしても研究に資料が必要な人は6万円〜12万円払う可能性があるけど、「とりあえず学籍持っとくか」という人にとっては6万円は高い。よって、百人オーダーで希望者がいるとは思えない。一方で、百人オーダーで制限研究生利用者がいるとしても、年間600万円ぐらいが別収入で入るならば大学としても悪くないはず(大学の予算規模である数十億円〜千数百億からすると微々たるものだけど、でも国立大学なら学生の授業料免除10人分ぐらいなので悪くない)。

また、研究生になることについてのコストも受け入れ先の指導教員探し、研究計画書と研究報告書の提出を無くし、授業料もディズニーランドの年間パスポート代ぐらいまで落としたので、かなり緩和されていると思う。

必要に応じて、学会や日本学術振興会がサイエンスコミュニケーター、独立研究者、兼業研究者支援のための奨学金(制限奨学金の代理支払い)を行えば、経済的ににきつい人たちもこの制度をつかえると思う。

実現への課題

考えるだけ考えたけど、さっぱりわからない。どなたかどんな課題があるか教えてプリーズ。