金銭的コストと時間的コスト、記憶領域と計算時間はトレードオフの関係

【パリ共同】フランス公共ラジオによると、筑波大学計算科学研究センターが昨年8月、スーパーコンピューターで樹立した円周率の計算の世界記録が11日までに、パリ在住の情報処理技術者によって破られた。技術者は通常のコンピューターを使い筑波大の記録より約1230億けた多い、2兆7千億けた近くまで計算したと発表した。

新記録を発表したのは、デジタルテレビ関連の仕事をしているファブリス・ベラールさん。通常のコンピューターに5個のハードディスクを増設し、主計算と検証計算を含め131日間かけて2兆6999億9999万けたまで計算した。

筑波大のスーパーコンピューター「T2K筑波システム」が当時の新記録2兆5769億8037万けたを計算するのにかかった時間は、両計算を合わせて73時間36分。

ベラールさんは「筑波大の機器は、私のものより計算速度が2千倍近く速い」と認めた上で「これまでスーパーコンピューターが樹立してきた記録を2千ユーロ(約27万円)弱のコンピューターが破った点に意味がある」と語った。

ベラールさんの計算についてはhttp://bellard.org/で公開されている。
2010/01/11 21:00 【共同通信

タイトルのとおりだけど、一般常識として「時間はお金で買える」というのは一般的。また、計算機科学の学生が計算複雑性の話で習う重要なことが「記憶領域と計算時間はトレードオフの関係である」ということ。もちろん、2兆7千億けたなんて膨大な計算をするためにはいろいろと技術は必要だけれども、理屈上、ハードディスクをメインメモリー代わりに使えば、高性能計算機と同じくらいのメインメモリーを用意できる。

ベラールさんはすごい。この記事の書き方はちょっとアンフェア。