学位論文のサマリーを公開して社会還元をするのはいかが?

平成22年度予算案も出て、ちょっと忘れられた間がある事業仕分け。でも、本質的な問題である科学コミュニティーとその外部との乖離は当然のことながらそんな簡単には治らない。

そこで、3月に卒業・修了予定のみなさまにご提案。あなたの卒業論文修士論文/博士論文のサマリー(A42ページ程度)をMy Open Archiveなどで公開してから卒業・修了してみませんか?

国立大学法人のみならず、私立にも国の税金が投入されていますので、みなさんが一生懸命行った研究成果を社会に還元するのは筋が通った話(もちろん、特許がらみで公開できないこともあると思うけど)。

お父さんやお母さんを始めとする知り合いに、大学や大学院で学んだ成果を知ってもらうのにも使い勝手が良いと思う(論文全部は読むのいやだろうけど、A4 1〜2枚ならば読んでくれるかもしれない)。就職先がある程度の文章を書けることが求められる職種ならば、卒業論文修士論文/博士論文のサマリーを名詞名刺代わりに使ってみるというのも面白いかもしれない。

研究者ではない人たちが論文の情報収集を試みるとき、英語論文しかないとやはり効率が悪い。卒業論文修士論文、博士論文は日本語で書かれることが多いので、サマリーがネットで閲覧できるようになっていると調べもののポインターとしては結構使い勝手が良いと思う。

博士論文は国会図書館に収めることが求められているため、原則、一般公開する文書なので場合によっては、論文そのものを公開してもOK。卒業論文修士論文を公開するのは、特許や研究室の方針によって問題があるけれども、サマリーならばほとんど問題なし(参考:卒業論文、修士論文の公開について。指導教員と相談してね!)。

サマリーに含んでいて欲しい情報は以下のとおり

  • 論文タイトル
  • 著者名
  • 指導教員名
  • 所属
  • サマリー本文
  • (博士論文なら)公表論文リスト
  • 参考文献(論文の参考文献パート丸写しが好ましい)
  • 論文本体はどこで入手できるかのポインター

歴史学系の卒業生の方々が、論文のサマリーを公開し、ひすとり!〜歴史ごった煮闇鍋マガジン〜なんかでそのリンクを紹介するのも面白いのではないかなぁと思う。

「そんなの大学でやれよ!」というご意見が聞こえそうですが、もちろん、大学でも機関リポジトリを用意しているので、そこで公開する大学もあると思います。