リンク:STI Update 情報管理Web:Springer、身売りへ

世界第2位のSTM出版社"Springer"を巡って企業買収の話が進んでいるようだ。

買収元は、スウェーデンの非公開投資会社"EQT"とシンガポール政府がバックアップする非公開投資会社"GIC"の2社。詳細は明らかにされていないが、ロンドンのThe Times誌は、取引総額は23億ユーロ(3,000億円程度)とみている。買収は2010年2月初に完了する見込みで、両社の持分はそれぞれそれぞれ82%、18%。

Springerすら身売りを考える世の中なの?学術出版は結構やばいねぇ。Lecture Note in **シリーズも信憑性がなくなるかな?買収先の2割近くにアジア系の資本が入るというのが現在の世界状況を移しているような。

私の知っている範囲では、日本の大学の博士号授与や中国の大学院修士課程の修了条件、インドの学位取得条件などに学術雑誌への論文掲載やScience IndexやEngineering Indexなどに論文タイトルが載るレベルの国際会議論文集への論文掲載が条件として使われている。アジア諸国の大学院修了者を養成するために多くの学術雑誌や国際会議が必要とされている背景があるので、学術出版者がつぶれてしまうと、これらのシステムが根底から崩れてしまう。

客観的指標として使われていた学術雑誌や国際会議論文集が使えなくなったときには、原点回帰で先輩研究者たちによる審査が重要視されるようになるだろう。そのとき、まともな大学院修了者(修士、博士)を輩出できるのは、まともな研究者がいる国だけ。

客観的指標として使われていた学術雑誌や国際会議論文集が使えなくなった未来において、日本はまともな博士を輩出することができるかな?