ハリーポッタースタイルの中高一貫校の需要

面白い。私も似たようなことを考えていて、これからは寄宿舎制の学校の人気がガンガン上がってくるだろうと予想している。ただし、理由は上のエントリーの人と違う理由。私が寄宿舎学校が人気になるであろうとおもうのは放課後問題の解決として。イメージはハリー・ポッターの魔法学院。

共働きが増えると子どもが一人で放っておかれる時間が長くなる。そのときに、求められるのは放課後の子どもの面倒を見てくれる施設だと思う。もし、学校が放課後の子どもの面倒も見てくれるならば、親としては便利なことこの上ない。1年の3分の2か4分の3くらい学校が子どもの面倒をみてくれるならば、親も自分のたちのプライベートタイムを作ることができ、新たな事柄に対する学習や夫婦間でのデート、あるいは地域活動への参加などが可能になる。

親子関係が希薄になるのでは?という意見も当然あると思うけど、一度、離れた方が親のありがたみを感じることができるというのは一人暮らしを始めた人ならば全員が感じること。しかも、寄宿舎制度はヨーロッパなどで百年くらいの歴史があるので親子関係が希薄になるかどうかを定量的に調べることも可能だろうと思う。

リンク先エントリーと私の考えとの間で一番違う点は、リンク先エントリーでは、大都市圏に住む児童全員が強制的に山内留学に参加するという案なのに対して、私の方は金持ちが自由意志で子どもを寄宿舎学校に送り込むという点にある。大都市圏に住む児童全員が強制的に山内留学に参加するというのは、一種の徴兵に近いものなので、今の世の中では受け入れられないだろう。さらに言うと、毎年一定数の児童・生徒が留学に来ることがわかっているならば、児童・生徒の受け入れ先に自分の業務を改善しようという動機がなくなってしまい、質の低いサービスしか提供しなくなることが予想される。なので、希望者が自由意志で子どもを寄宿舎学校に送り込むのがベターだと思う。で、こういう寄宿舎学校は費用が当然のことながらかかるので、通わせることができるのは金持ちだけになるだろう(せいぜい、中の上の経済力を持つ家庭だけになるだろう)。

次に違う点は、リンク先エントリーは子どもの世話をするのは誰でもOKという考えだけれども、私の方は、プロがやるべきであるという考え。昨今の病院、学校、保育園、幼稚園における訴訟トラブルを考えれば、寄宿舎制学校は、プロによる児童・生徒の管理をせざるを得ないのは明らか。特に大都市圏に住む児童全員が強制的に山内留学に参加させることになると、この制度に不同意な家庭からも子どもが送られてくるので、トラブルのタネはガンガン増えていくと予想される。

ゲーム機などの持込禁止かどうかは、学校ごとに決めればよく、修道院のように厳しいところから、単なる食事つきの寮ぐらいのところまで入学希望者がいる限り幅広く求めれば良い。私のイメージでは、現在の日本の全寮制学校は、問題を抱える学生の更正を目指すとか、エリート教育を目指すとか特殊な学校しかないような気がする(調べていません)。バス通学やら、放課後の児童・生徒の保護、学校の役割の明確化(放課後の児童・生徒の保護は学校の役割ではないという欧米スタイル)に対する議論の中から、寄宿舎学校の需要が出てくるんじゃないかなぁと思う。