リンク:文系と理系

毛利 文系と理系の違いはありますが、壁として認識するかしないかです。給料が違うとか、昇進できないとか、明治時代からある現実はすごい壁。しかし、社会には両方の人が必要ですし、個人の中にも両方の要素があるという意味では壁ではない。意識の中に壁ができる一番大きな原因は、高校時代にいや応なく文系・理系に分けられることではないでしょうか。

室伏 私は、本質的に壁はないと思っています。しかし、高校で分けられることも含め、違った教育がされているため、まるで違う人種のように扱われています。子どもが等しく自分の興味のあることに応じた教育が受けられ、親も受験など目先のことにとらわれず将来を見据えた意識に変わっていくなら、どんな職業にも社会変革にも対応できる広い能力を持った人間に育つはずです。

  • 質問 日本では教育課程で文系、理系の区別が顕著ですが、歴史的経緯はどうなのでしょうか。
  • 小林 明治以来、旧制高校の教育もそうでしたし、戦争中も理系の人は徴兵を免除されるなど温存されてきました。国立大学には必ず工学部があり、理系の中でも工学系は優位です。