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春から研究室に配属される理系新四年生のための心得

ミームの死骸を待ちながら:春から研究室に配属される理系新四年生のための心得に便乗して私も。

はじめに

卒業研究に望む姿勢としては、ある遊園地のフリーパスを無料でもらったときの姿勢と一緒がよろしいかと。どうせ、もらったのだから、怪我や病気の危険が無い限りはその遊園地にいってとにかく楽しみましょう。もしかしたら、しょぼい遊園地かもしれませんし、あるいは、最高の遊園地かもしれません。でも、楽しもうと思いさまざまなところに着目すれば、絶対に楽しめるところがあるということを決して忘れてはいけないと思います。

そして、遊園地というものは基本的に楽しいところなのです。

多くの人にとって一生に一度のことだから、楽しもう!

卒業研究は、多くの人にとって一生に一度のことだから、大いに楽しもうではありませんか!

何でもそうだけど、楽しむためには一度どっぷりと浸ってみないといけません。どっぷりと浸れない、あるいはどっぷりと浸りたくない理由があなたにもいろいろとあると思いますが、どっぷり浸っても1年、どっぷり浸らなくてもく1年。どうせ、1年間を過ごさなくてはいけないなら、どっぷりと浸ってみて、研究の香りを存分にかいでみてはいかがでしょう?

あなたに与えられた研究テーマはもしかしたら面白くなさそうかもしれません。でも、まずは、どっぷりモードでやってみましょう。自分の創意工夫が発揮できる状況にあれば、いかなるテーマであっても、あなたは楽しむことができると思います。

新しいことに向かうときの姿勢をいろいろ試してみよう

もちろん、21年間の人生を生きてきた上でさまざまな新しいことを経験してきたと思いますが、卒業研究というのは、小学校1年から始まって大学3年生までの12年間行ってきた「勉強=既知の知識を学ぶこと」から「研究・開発=未知ものを見つけること・作り出すこと」の大きなパラダイムの変更です。

あなたは、曲がりなりにも21年間築き上げてきた「自分」がパラダイムの変更を迫られたとき、どのように振舞うのか興味ありませんか?あなたは、「自分」を変えなければならないという状況に打ちのめされるのでしょうか?それとも、悩むのでしょうか?または、水を得た魚のように思う存分に泳ぎだすのでしょうか?結構、楽しみじゃありませんか。

卒業研究は、卒業のためのテストでもありますが、あくまで教育の一環です。あなたは間違うことが許されています。いろいろ試してみたらいかがでしょうか?

  • 就職活動と卒業研究の二足のわらじを履く方は、仕事管理ツールの導入を試してみてはいかが?
  • 会社に入ってコミュニケーション能力が心配な方は、あなたの話を聞く義務がある年上、すなわち先生を練習台として、報・連・相の練習をしてみてはいかがでしょう?また、あなたの同級生を同僚に、あなたよりも上級生の学生を先輩に見立てて、プロジェクトで働く協調作業を練習してみてはいかが?
  • あなたは、早朝に力を発揮するタイプ?それとも深夜?一人でコツコツが得意?それてもみんなでワイワイが得意?研究室をオフィスに見立てて、自分の仕事スタイルを探ってみてはいかが?
  • 将来は研究者になりたいなら、先輩や指導教員の研究スタイルを盗むチャンスです。彼らはどういうやり方で研究をしているんでしょう。文献調査はどうやって行っているのか?研究テーマはどうやって選んでいるのか?機器の使い方は?どうやって時間管理をしているのか?どうやって、他の研究者とコミュニケーションをとっているのか?あなたは、とっても間近で研究者の実物を観察できるチャンスを得ています。活用してみては?

孔子曰く「三人行けば必ず我が師あり。」

「三人行けば必ず我が師あり。その善なるものをえらび、之に従い、その不全なるものはこれを改む。」

どんな人からでも学ぶことができるという教えです。研究室の先輩や先生が全く尊敬できない。あるいはとても出来る人間とは思えない。残念ですね。でも、孔子の教えに従ってみてはどうでしょう、つまり、そんな人たちからも学ぶのです。

  • あなたは、その人たちのどこをダメだと思うのでしょう。ひとりにつき10個列挙してみましょう
  • 列挙してダメなところは、何故、ダメなのでしょう?親や兄弟、友達に説明するつもりで説明してみましょう
  • 列挙したダメなところは、今のあなたにとって無縁な話でしょうか?自分にそのダメな点がどれくらい当てはまるかチェックしてみましょう
  • もし、あなたにも当てはまるダメな点があったとして、直したい順に優先順位をつけてみましょう。また、なぜ、その優先順位になるのか、親や兄弟、友達に説明するつもりで説明してみましょう
  • あなたは、来年の3月までにそのダメな点をいくつ直せますか?どのように直すのか、何故その方法で直せると思うのかを親や兄弟、友達に説明するつもりで説明してみましょう
  • 自分のダメなところを治すための最初の行動として行うのは何か具体的に「***を〜する」という自分がそれを行っているのが想像できる形で書いてみましょう。
  • 上の箇条書きで説明に詰まったところはありますか?もし、あるならば、誰に相談すれば、あるいはどんな本を読めば、説明ができると思いますか?それぞれ列挙してみましょう。

ここまで出来たら、あとは実行するのみです。

頭に詰め込むのではなく、頭から世界にぶっ放す

勉強というのは、どんなに難しい事柄に関する勉強であったとしても、既知のものをあなたが知るという作業です。ですから、常にあなたの頭に何かを詰め込む作業になります。答えが埋まっていない問題集を解いていたとしても、それは、どこかの誰かが用意した答えをあなたが探しているだけです。本質は勉強と一緒。

でも、たまには誰にも気兼ねなく、あなたの頭から湧き出たものを世界にぶっ放したくなりませんか?誰も知らない、誰も重要だと思っていない事柄を、あなたが世界に提示する。誰かが既知にした事柄をあなたが学ぶのではなく、あなたが既知にした事柄を誰かに学ばせる。そんなことやってみたくありません?

そういう行為、あるいはそういう行為の擬似体験ができるのが卒業研究。たまには頭に詰め込むだけでなく、頭からぶっ放してみるのも面白い体験だと思います。

おわりに

最期はちょっと真面目に、いくつか心得を。

  • 卒業研究のテーマを一生の研究テーマにする人は少ないことを理解する
  • 卒業研究とは、研究のやり方を学ぶ機会である。研究のやり方を学んだ副産品として成果があるということを忘れずに
  • 研究を構成するさまざまな手法や技術が多くの業種で必要とされている手法や技術であることを忘れない
  • 完璧主義はやめる。まだ、やり終えたことの無い事柄に関して完璧主義で望むのは時間の無駄。そもそも、何がどうなったら完璧な状態なのかご存知?
  • 助言を仰ぐことは敗北ではない。
  • 自分の状況を笑い、自分を慰め・励まし、そして、自分を騙せ。
  • つまらないことほど忘れる。でも、あなたにとってつまらなくても他人にとっては重要かもしれない。メモしろ!!