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携帯メール世代とPCメール世代が仲良く生きていくために

発声練習

大学に関する話題日記:アカデミックハラスメントと大学教員の懲戒処分.京都外国語大学で紹介されていたアカハラ話への反応が面白い。

コメントを見る限り、一部「学生 vs 教員」なコメントだけれども、ほとんどが「携帯メール世代 vs PCメール世代」なコメント。京都外国語短期大のコメントも詳細をさっぱり明らかにしていないし、学内処分で話が決着しているので詳しいことは分からない。

でも、これを「いまどきの学生ってダメだよねぇー。」で終わらせていると大学教員という業務がとってもしんどくなるのでこの事件に興味をもった方々に提案。仲良くやっていくためにこういう風にいたしません?

最初にメールを送った側が送り先のメールの流儀にあわせる

メールの流儀といっても細かい流儀ではなく、PCメールの流儀にあわせるか、携帯メールの流儀にあわせるかということ。送り先がPCメールであれば、PCメールの流儀にあわせ、送り先が携帯メールならば携帯メールの流儀にあわせましょう。どうして、最初にメールを送った側があわせないといけないかといえば、明らかにコミュニケーションを始めたがっているのは最初にメールを送った側。それぐらいのコストは支払いましょうよ。

PCメールからEメールを使い始めたみなさまにおかれましては「メールの魅力は非同期通信なのに、何で同期通信もどきの携帯メールにあわせなければならないんだ?非効率だろ!」という意見もありましょうが、今や人口比でいえば携帯メール派も十分に多いので仲良く共存していくためにちょっと譲りましょう。

そもそも、PCメールと携帯メールの流儀の違いって何?

一番の違いはPCメールは手紙の一形態、携帯メールは電話の一形態ととらえられていることです。あとは、数年前の携帯メールでは文字数制限が厳しい(パケット制限もある)かった経緯があるため、携帯メールでは、字数を省略することが美徳とされている点です。

考え方 PCメールから始めた人 携帯電話メールから始めた人
メールをどうとらえているか? 手紙(ハガキ)の発展形 電話の発展形
メールの受け方 受取りに行く 送られてくる 
メールを送る時間 いつでもよい 受け手が起きている時間
メールの返信はどのくらいの間隔で? 任意(日単位) できる限り早く(分単位、時間単位)
文中での名乗りは する(文頭 or 署名) しない

他の詳しいことは数年前にエントリーに書いたのでそちらをご参照のこと。

いくつかの常識が同時に生きていることを理解しよう

常識は時代とともに変わるものですが、こと「正式の連絡手段に何を使うか」はこの数十年の間に何回か変遷しており、それぞれの常識で躾けられた人間が日本の社会には共存しています。それを理解しなければ、みんなと仲良くやっていけません。

私が理解する限り、「正式の連絡手段に何を使うか?」は新しい技術の登場ごとにちょっとずつ変わってきました。補足的な連絡手段に比べて正式な連絡手段の方が連絡するコストが高いという点がポイントです。

正式な連絡手段:直接会って口頭、補足的な連絡手段:電話

特に重要な契約や謝罪の場合は直接会うのが推奨されます。私は、謝罪ならば今でも直接会うのが一番の方法だと思います。

今でもこのように考えている人は大勢います。なんせ、1980年ごろにやっと一家に一台の時代になるのですから(参考)。このころから携帯電話普及以前に躾けられた人間には夜中に電話をかけるのが非常識であると思う人が多いです。「夜分に失礼いたします・・・」はこの非常識をあえてするときの断り文句でした。これは携帯電話の普及+通話料定額制登場まで続きます。

PHSや携帯電話の普及は1995〜2000年くらい。2000年くらいには大学生御用達だったPHSに携帯電話が取って代わりました。半径5mの認識で恐縮ですが、私の周りも2000年ごろには8割近く携帯電話所有者でした。ちなみに1999年にiモードが始まり、携帯メール時代が始まります。

ですので、1995年に18歳として、32歳以上の人間の多くが「夜中に電話をかけるのが非常識である」という思想の持ち主です。今回の京都外国語短期大のトラブルは、固定電話時代の常識 vs 携帯電話時代の常識だったりします。日本に人口比で考えたら固定電話時代の常識の人が多いのは当たり前なので、あと十年くらいは深夜に電話をかけたら非常識でしょう。願わくば、深夜に電話がこの先ずっと非常識であり続けることを。

正式な連絡手段:電話、補足的な連絡手段:FAX

FAX普及後からPCメール普及前にかけては、このような常識もありました。重要な用件であるならば、FAXで用件を送って、電話で確認しろと言われた人も多いと思います。Windows 98の登場に伴う日本におけるインターネットの普及期ぐらいまでがFAXの時代でしょうから1980年代〜2000年くらいまででしょうか。

正式な連絡手段:電話、補足的な連絡手段:PCメール

FAXがPCメールに代わりビジネスの現場で普及してからはこのように変わりました。すっごく最近の話で、やっと普及してきました。早くとも1998年ごろからの話です(外資系や大企業はもっと早いのかもしれませんが)。それ以前は、ビジネスでEメールを使えませんでした(相手がメールアドレスを持っていない)。また、ある程度普及してもPCメールでの連絡は補足的な連絡手段ともみなされていませんでした(補足の補足という感じ)。

多くの社会人が、重要な用件であるならばメールで用件を送ったとしても、ちゃんと電話で確認しろと言われていると思います。

なお、大学の教員は二極化が激しいです。PCメールをめちゃくちゃ愛している人(私や私のボスは正式な連絡手段はメールです。電話は補足。理由は証拠が残らないから)と全く使わない人に分かれています。

正式な連絡手段:電話、補足的な連絡手段:携帯メール

携帯メール普及後からメールを始めた人の常識です。上と何が違うのかといえば、電話も携帯メールも同期通信であるという点です。この常識は若い人以外にはほとんど共有できていないです。しかし、中高年でもメールは携帯からという人も結構いるので、上の電話+PCメールと共存しそうな予感です。

ネチケットの変遷

ネット上のエチケットとして生まれた言葉ネチケットは、インターネット普及草創期にできました。それからいろいろな変化が起こり、今では何がネチケットなのかわからなくなっている状態です。

  • 利用者の変化:初期はほぼ学者&技術者、後にアーリーアダプター、そして、多くの一般人へ
  • 通信網とその使い方の変化:アナログ電話線(56Kbps)→ISDNADSL(アナログ電話網)光ファイバーへ
  • サービスの変化:従量課金→テレ放題(深夜だけつなぎ放題)→常時接続
  • メール送信端末の変化:端末→パソコン(メーラー)→携帯電話、パソコン(Webメール
  • Web上での情報発信方法の変化:Webページ公開(HTMLで作成)→Web日記CGI→ブログサービス、WikiマイクロブログSNS
  • Web閲覧端末の変化:端末→パソコン→携帯電話

これらの変化がそれぞれに関連しながら発生した結果、3年前のネチケットが今はもう時代遅れ、的外れということがある。なので、柔軟に出来る限り多くの人を不快にさせない方法でWebやインターネットをうまく使わないといけない。それの基本は「自分とは違う考えの人がいるという認識を常に持つ」ということ。

まとめ

PCメールユーザにおかれましては、携帯メールユーザーがこれからも増えるのはしょうがないことなので、PCメールの流儀を携帯メールにも強制するのは諦めましょう。自分から携帯メールのメールアドレスに送るときは、譲歩しましょう。

携帯メールユーザーにおかれましては、PCメールの流儀の基礎を成す「非同期通信=いつ読んでも良いし、いつ返事しても良い」を理解し、自分からPCメールもメールアドレスにメールを出すときには、相手はPCメールの流儀で振舞っているんだということを理解しましょう。

そして、世の中には多くの情報伝達の常識があり、それぞれの常識に従って生きている人がいることを理解して、自分がコミュニケーションをとろうとしている相手はどの常識の下で生きているのかを気にするようにしましょう(基本的に重要な用件は「直接会う+電話」にしておけば、ほぼ問題なし)。

追記(2012年4月27日)

携帯メールのドメイン拒否機能には気を付けましょう。本当は返信が来ているのに無視している形になっているかもしれません。