日本学生支援機構は何のために存在する機構なのか?

大学生らに奨学金を貸与する事業を行う独立行政法人日本学生支援機構」は22日、奨学金の返済が滞っている卒業生が多い学校の名前を公表する際の基準案をまとめた。
学校全体の「延滞率」が平均の2倍を超えた学校を公表する内容だ。来年2月までに学校側と調整し、早ければ2011年度末から公表を始める。
延滞率は、卒業後3年以内で奨学金の返済義務のある者の合計人数のうち、年度末時点で1日でも滞納している人数の割合とする。各校の延滞率から、大学、短期大学、大学院、高等専門学校専修学校専門課程の種類別に平均値を算出し、この2倍を超えていた学校は、同機構のホームページに学校名と延滞率、延滞者数を記載する。

全く持って理解できない。返済金滞納の人間をブラックリストに載せるという話はまだ一応理解できる。理由はどうあれ借金返済していないわけなので。けれども、返済が滞っている学生を輩出した学校を公表する理由はさっぱり意味がわからない。

仮にこれを行うことで返済しない学生が減るという場合、原因は二つ。一つは、学校側が奨学金貸与者の経済状況をチェックし、返済が不可能になりそうな学生に対して奨学金を貸与させないとき。これは、事実上学校に融資審査をさせるということ。二つ目は、学校が今後の奨学金貸与枠やブランド力降下を恐れて、奨学金返済を手伝う(返済金の回収に動く、もしくは代わりに返済する)とき。これも、事実上学校に回収業者をさせるということ。

この方針で返済不能者が減るならば、事実上、日本学生支援機構は事務処理をするだけで一番重要なことをほとんどしていない。それなら、どっかの銀行に金の管理と運用だけを委託して、融資審査と回収業務を各学校に任してしまえばいいじゃないの。早く、日本学生支援機構は解散すべきでは?学生を支援すべき立場の組織が、学校の業務増やしてどうすんの?学生にとって不利益が生じるだけじゃない。

そもそも、返済の回収不能に陥る理由は、不況なのだから連帯保証人をやめて機関保証制度に統一化してしまえばよい。そしたら、そもそも貸与する奨学金から天引きして保険をかけておくのだから返済不可能となる事態が生じない(みんなが返済しなくなると天引き率がどんどん高くなる)。

まあ、基本は法律に縛られて業務しているだけだから、あんまり責めるのもかわいそうだけど。大学と学生の経済状況、さらに言えば卒業してからの行動は全くの無関係だから、そんなものを学校に持ち込むのは理不尽だよ。5人組もびっくりの発想。

たとえ、この制度が実施されたとしても、私の勤務校が「だから、どうした?」と無視することを強く願っています。というか、そういう議題がでたらちゃんと文句言おう。