面白い人とうまい酒を楽しく飲もう!

ワインを飲んで良い気分なので。お酒の話。

私が博士課程のとき、私の隣の研究室の先生がとてもお酒好きな先生だった。私の指導教員は一滴も飲めなかった)。隣の研究室にいた友達のお誘いで、隣の研究室の飲み会に参加する機会があり、そこでその先生と仲良くしていただき、以後、お酒の飲み方を教えてもらった。

その先生の教えは唯一つ「酒を楽しめ!無理して飲むなんて酒に失礼だ。」

幸せなことに、その先生とも非常に相性が良く仲良くしていただいたので、その先生から「5時から***研メンバー」の称号をいただいた。おかげで、酒が飲みたくなったら、ふらりと隣の研究室に行って研究室内にあるビールやら、ウィスキーやらブランデーやらを勝手にいただいて帰る事もよくあった。その代わり、学会発表でどっかいったら酒のお土産を買って帰るのがお約束。

その先生は酒の誘いを断らないことで有名な先生。いついかなるときでも、「今日は、ビール飲みたい気分ですよね。」と誘ったら「そうだね。じゃあ、どこで飲む?」という具合に一度も断られたことがない(まあ、その先生は誰から誘われても断らないけど)。その先生から「今日はどうする?」と尋ねられ「すみません、明日論文の締め切りなんで。」と答えると、「大丈夫だよ。今から飲んで0時に帰っても、まだ24時間あるんだから。」といわれるぐらい。思わず「じゃあ、ちょっとだけ」と飲みに行って、痛い目みたのも良い思い出。

その先生と飲んでいるときには、学科の他の先生が混じってくることがよくあり、それが縁で私の名前と顔を他の先生方にも覚えてもらった。顔を覚えてもらえばしめた物。他の研究室の飲み会でも当然の顔で参加すれば「おお、良く来た、まあ飲め」と酒を勧めてもらえる立場を得ることができた。ポイントは、当たり前の顔で研究室に入っていくところ。そこで、ひるむとアレな空気になるので注意。

当然、飲んでる最中はまじめな研究の話などをしないけど、いろいろな雑談を通して、いろいろな議論を通して、研究者の考え方、大学教員の考え方を学ぶことができた。飲み会で理解した研究者の特徴は、好奇心の強さ。よくもまあ、自分の研究分野でもなんでもないことを情熱を持って知っていること知っていること。鉄分旺盛な人も多かった。先生達から聞く、その先生達の師匠の話や伝説的な研究者の話は面白かった。

面白い人たちとおいしい酒をけらけら笑って飲む。これほど、面白くてうまい話はない。ちょっと、へこんでいるときは沈んだ酒も悪くはないけど、やっぱり元気なときに元気に飲む酒がおいしいよね。ギネス、スコッチウィスキー、ブランデー、焼酎、ベルギービール。いろいろ教えてもらった。そういや、ワインと日本酒はおしえてもらってないなぁ。火をつけると燃えることで有名なスピリタスを教えてもらったのもあの先生から。でも、スピリタスを飲むときは息を吸ってはいけないなんて豆知識は本当に役にたたん。

唯一の難点は、その先生と飲むとお金の減りがすごいこと。学生なのに一回の飲み会が5千円以上だったもんなぁ。学生としては2千円を越えたあたりからしんどいもんね。でも、それ以上にその先生と飲む魅力は素晴らしかった。3回に1回は援助してもらえたし。その先生の研究室で飲むときは、参加者みんなで割り勘だったし。

学問の師匠とお酒の師匠が異なるというのは私にとって、とても素晴らしい財産。今の職でも、その先生と飲んだ縁で大学を超えてつながっている人がいろいろいる。その先生とは別の大学になってしまったけど、忘れられると嫌なので、毎年お中元でビールを送りつけている。毎年、3,000円程度で覚えていてもらえるならば安いものと思ってる。

酒が取り持つ面白い縁。体を壊さない程度にこの縁を大切にしていきたいと思う。

早く、酒を18歳から飲めるようにして欲しい。そうしたら、学部一年生のときからお酒の飲み方をコーチできるのに。一気飲みなんて下品な飲み方をすすめる輩は、静脈にメチルアルコールを注射されればいいんだ。