NISTEP:ポストドクター等の研究活動及び生活実態に関する分析

みつけたのでメモ。良い調査しているんだからHTML版も用意してよ。

本調査におけるポストドクターとは以下の条件をすべて満たす方です。

  1. 博士号取得者、または、博士課程満期退学者
  2. 大学等の研究機関において、任期つきで研究業務に従事しているもの(謝金による支払いを受けているもの、人材遣会社から派遣されているもの、給与などの支給を受けずに研究活動を続けるものも含みます)
  3. 教授・准教授・講師・助教などのポストについていないもの
  4. 研究グループのリーダー・主任研究員などのポストについていないもの

科学技術政策研究所は、ポストドクターの研究環境等の実態を明らかにするため、ポストドクター約1,000 人に対して、インターネット調査を2007 年11 月から2008年1 月にかけて実施し、研究活動と生活実態に関する調査結果をとりまとめました。その結果、ポストドクターの任期は平均2.7 年、平均月給は約306,000 円であること、また、研究活動には大部分の者が、雇用条件については半数程度の者が満足していること等が明らかになりました。

平均月給は30万円ということなので思いのほか高い。現在の大学院生の初任給は21万円くらい。でも、任期が…。

  • ポストドクター等の平均月給は、税込みで約306,000 円であり、男性の平均は約314,000 円、女性は約282,000 円である。
  • 研究分野別に平均給与を見ると、最も高い工学系で約330,000 円、最も低い人社系で約213,000 円と10 万円以上の差が見られる。

ポストドクターにおいても、給与に男女格差があるの?なんで?あと、工学系と人社系の差はひどい。

PDFから本文がコピー&ペーストできないので興味深いところを抜粋

  • 調査回答者の平均年齢は33歳
  • 職の正式名称は1035名の回答者から100種類をこえる名称の回答があった。日本では職名や雇用形態がまだ定まっていないことが分かる
  • 雇用の財源別の調査では、フェローシップ学振特別研究員、国費留学生など)が少なく競争的資金(21世紀COE、科研費など)での雇用が多い
  • 人社系のポスドクには回答者のうち14%が雇用関係なしと回答している
  • 業績を出すことを考えた上で理想的な任期は3年であるという回答に対し、任期の平均は2.7年。任期1年の人が20%いる
  • 所属機関別の給与の平均値は、国立大学、公立大学、私立大学が25万〜28万、独立行政法人は39万。
  • 回答者が適切と思う給与の平均は、36万9千円。現状より6万円ほど高い方が良いと思っている。
  • 回答者の2割が別の手段で収入を補っている
  • 国立大学に雇用されているポスドクの約5割が専用のパソコンを用意してもらっていない
  • 研究スキルの習得はほぼ指導教員から学ぶ。ただし、研究計画の作成と文書作成については3割が、教育、交渉、研究マネージメントについては7割がスキル習得の機会を提供されていない。
  • 論文の執筆は自由にできるが、プロジェクトの立ち上げと中止は指導教員の指示に従う
  • 海外で博士号を取得したもの、あるいは海外でのポスドク経験があるものの方がそうでないものに比べて査読論文発表数が多い傾向がある