大学教員の任期制の流れ

自分のことを棚にあげれば(自分の将来を棚にあげれば)、大学教員の任期制の流れは不可避だったと思う。シンプルに考えて、移り変わりが速いこの世の中、学部編成、学科編成が数十年単位でしかできないのはまずい。カリキュラムの手直しは4〜8年に一度、学科再編も十数年に一度できないと世の中との乖離が激しすぎるだろうと思う。

でも、自分の将来を考えると、もう少しセーフティーネットができてから雇用流動化を実施して欲しかったのが正直なところ。准教授へチャレンジ(推定35〜40歳)、教授へチャレンジ(45〜50歳)で失敗してから転職なんて民間の受け入れ先ないよ!

国立大学法人で2007年から一括で助教と准教授の任期制がほぼ一括に導入された理由は、まあ陰謀論ではなく世の流れだと思う。なんせ、任期制の話は10年くらいの準備期間があるみたいなので。でも、中期目標に加えるように文部科学省がささやいたのは間違いないと思う。

また,大学の置かれた状況が異なるので諸外国の大学との明確な比較は難しい面があるが,アメリカやドイツなどの大学の状況を見ると,出身大学で教員として採用される場合にも,いったん他大学で教育研究に従事したり,キャリア形成の過程で大学等を異動する場合が多く,教員の流動性は概して高い。このことが,これらの国の大学における教育研究の活性化,高度化につながっているとの指摘もあることを考えると,我が国の大学においても,教員の流動性を一層高めていくことが肝要である。

第四条 任命権者は、前条第一項の教員の任期に関する規則が定められている大学について、教育公務員特例法第十条の規定に基づきその教員を任用する場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、任期を定めることができる。
一 先端的、学際的又は総合的な教育研究であることその他の当該教育研究組織で行われる教育研究の分野又は方法の特性にかんがみ、多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織の職に就けるとき。
二 助手の職で自ら研究目標を定めて研究を行うことをその職務の主たる内容とするものに就けるとき。
三 大学が定め又は参画する特定の計画に基づき期間を定めて教育研究を行う職に就けるとき。

助教キャリアパス任期制について)

大学制度の歴史的展開の中で、大学教員に関してテニュア(終身在職権)制度が発展してきており、例えば、米国では、大学院を修了し、研究員等として経験を積んだ後に、アシスタント・プロフェッサー(assistant professor)等として任期付の契約で雇用され(2〜3年程度)、このアシスタント・プロフェッサー等の期間に実績を積み、アソシエイト・プロフェッサー(associate professor)への昇進時又はアソシエイト・プロフェッサー在職期間中に審査を経て、テニュアの取得が決定される仕組みが採られている。
 我が国においても、国際的な通用性の観点や、優秀な人材の適切な確保や人材の流動性向上を図る観点から、各大学においては、助教に期間を定めた雇用(任期制)や昇進のための審査を定期的に行う再審制など、一定期間ごとに適性や資質能力を審査する制度を導入することや、あるいは、助教からの准教授等への昇進に当たっては、公募制とすること等により学内昇進を原則として行わない制度を導入することなども考えられる。これらの制度を導入するかどうかは、各大学が、それぞれの実情や各分野の特性に応じて、適切に判断するものであるが、助教キャリアパスの一段階に位置付けられるものであることから、一般に、このような制度が積極的に活用されることが望まれる。また、採用や昇進等に当たっては、責任の所在を明確にするとともに、手続の透明性を確保しつつ、相応しい資質能力を有するか否かについて公正かつ厳格な教員評価を行うことが必要である。

最後に、Googleで見つけたREITEIの澤さんの危惧がめちゃくちゃ当たっているのが面白い。ほんとは面白くちゃだめなんだけど。

国立大学の法人化が、平成16年4月に迫ってきた。法案は来年の通常国会に提出される予定である。一方で、大学の構造改革政策として、ロースクール等の専門大学院の設置や国立大学の統合・再編が推進されようとしている。戦後直後に行われた学制改革以来の規模とインパクトを持つ改革が、国立大学に訪れようとしている。本稿は、これから本格化するであろう各大学での法人化に向けての制度設計作業に当たって、作業を担当する実務家が留意すべき点を示すことを目的とする。