リスニングテストの「トラブル」

ちょうど、センター試験の監督を終えてきたばかりだったので、この記事がうぇーって気分になる。リスニング試験は二段階のセーフティネットがかけられていて、ひとつはその日のうちに何らかのトラブルで中断したリスニングテストの続きを行なう「再開テスト」と後日、大学入試センターの指定した会場でリスニングテストを新たに受ける「再試験」の二つ。

中日新聞の記事の「再テスト」とは何を指すのかが不明。センター試験会場で当日業務を行なう教職員全員に配られているセンター試験監督要領を新聞社のみなさまは手に入れられなかったのだろうか?というよりも大学入試センターは配布しないのだろうか?これをちゃんと渡しておけば、上記のような不正確な記事はでないのに。部外秘にしておく意図がわからない。悪用されるから?(大学入試センター平成19年度センター試験受験上の注意(PDF 330KB)をみるとちゃんと「再開テスト」と「再試験」の説明が載っている。)

あと、再開テストはが行なわれたからといってセンター試験関連業務の人間を攻められたら困る。正直、機器の不具合を確かめる正確な方法を現場は持っていない。メモリスティックがちゃんと差し込まれているか?電源はちゃんと入っているか?音量メモリは最小(最小でも十分音が聞こえる)になっていないか?という外形的な事柄を確認するのが精一杯で雑音が入っているという主張や音がいきなり小さくなるという主張を確かめるすべはない。現場スタッフとしては、外形的に不具合はみられず、かつ、不具合があるという主張があれば、とりあえず再開テストを受けさせるしかない。

なので、「トラブル発生」というのであれば、実際に機器に不具合が起こったということが大学入試センターで確かめられてからいうべきで、それまでは「再開テストが行なわれた」というまでにとどめておくのが正確な物の言い方だと思う。

あとは、そういう報道を聞くみなさまの受け止め方だけれども、再開テストを受ける人間を0にすべきだと考えるのは対費用効果から考えるとうまくないとおもう。機器トラブルが真の原因で再開テストを受けた人は、確かに運は悪かったけれども、344人/50万人である。対費用効果を考えると社会が許容すべきリスクではないかと思う。受験生はそう考えないと思うけど、社会人のみなさまは許容できると思う。しかも、リスニングテストはその日に終えられているし。(終了が遅くなったとしても、高々20時には終わる。通常は18:40前後)。

なので、高校、予備校、家庭のみなさまは、受験生に対してそもそも再開テストを受けることになっても動じない心と受験プラン(体調管理、交通のチェック)の用意をしたほうが、トラブルに見まわれた受験生以外はみんな幸せになれると思う。

話し変わって、受験生のみなさま。今日は良く寝て、明日万全の調子で二日目を迎えられるようにがんばってください。睡眠をとって、朝ごはん食べてこないと長丁場はつらいよ。あと、勝負に勝つといって、油ものをお弁当にいれるのは禁止。胃にもたれるだけだから。炭水化物を多めにいれましょう。休み時間はチョコをヒトカケ。あと、勇気をもって、休み時間に部屋の換気を提案して、空気を換気しよう!試験監督の立場では、合意形成に費やされる時間の都合上、換気の提案ができません。ものを考えるには酸素が必要だよ!