祭りあげる行為

いつか、考えをまとめて書きたいなと思いつつかけていない事柄に関してメモ。

Blog以前のテキストサイトが全盛だったころ、読者数が多いWebサイトの掲示板でよく目にしたのが「あなたほどのアクセス数を持つWebサイトは、読者に対する影響力を考えて記事を書いてください」という言葉。すごく疑問であったし、今でも疑問。

新聞社やテレビ局のように、われわれの知る権利を代行している機関に対して、影響力を考えてくださいと要求するのはかまわないと思う。その見返りとして、基本的には取材に答えるし、記者クラブのような特権的な情報収集手段を認めることができる(私が認めないとそれができないというわけではないが)。

一方で、個人が個人の考えを発信するWebサイトにおいて、その人の書くことが面白いから読者が集まっているだけで、別にその作者は読者の何らかの権利を代行してWebサイトを運営しているわけではない。自分が面白いと思うから書くのであって、読者に対する義務はない。読者も頼まれているから見に来るのではなく面白いと「自分が」思ったから見に来る。そういう前提があって、Webサイトが運営されているのにもかかわらず、アクセス数が多くなると突然、読者に与える影響力に関してWebサイトの作者が責任を負わなければならなくなる。

いったいこの責任はどこから生じているのだろう?そして、この責任がWebサイトの作者にあると感じる人はどういう理屈でその責任が発生すると考えるのだろう?

Blogが流行し、ブロードバンド環境も整い、テキストサイト(2000年前後?)全盛のときよりも圧倒的に多くのWeb利用者がいろいろなテキストを読み、書いている。そんな時代になっても、やはりよく見かけるのは「あなたほどのアクセス数を持つWebサイトは、読者に対する影響力を考えて記事を書いてください」という言説。これは何だろう?