元公安調査庁菅沼光弘氏の日本外国特派員協会での記者会見

はてなブックマーク経由YouTobeでの動画。

  • 1/6: 日本におけるやくざの人数と構成員の説明
  • 2/6: やくざと日本文化・慣習の関係(やくざも日本文化・慣習の結びつき)と暴力団対策法による警察とやくざの関係の変化
  • 3/6: 質疑応答:やくざの資金流出先について。北朝鮮への資金流出について。公安調査庁の今後の展望(対策対象の変遷と日本版CIA設立に関する私見)
  • 4/6: 政治とやくざの関係(公安調査庁は政治団体を監視する。現在の右翼・民族団体の資金源はほぼ100%やくざから)。企業とやくざの関係について(証拠は示せないが関与があるというのがこの人の意見)。右翼団体資金源について
  • 5/6:統一教会北朝鮮の関係について。日本の諜報活動の脆弱性について(法律の不備と日本人の意識の問題とのこと)。
  • 6/6: 諜報組織間の情報共有について(諜報機関同士は仲が悪い。縄張り意識が強い)。朝鮮総連への取り締まりについて(朝鮮総連自身も組織防衛を準備している。取り締まるには理由がいるので難しい)。北朝鮮からの覚せい剤が減った際の影響について(北朝鮮からのシェアは30〜40%くらい。船舶で運ばれてくるので流入が厳しくなっているらしい。覚せい剤利用者に中学生、高校生がいるので値段が高くなると彼らが購入できない。北朝鮮にとってマツタケ、かにの輸出が止まっても痛くない。覚せい剤とか贋金が止まるのが痛い)。

面白い話だったが、まずこれはいつの動画だろうか?Googleで調べると今年の10月らしい。

内容については、仮にすべて事実だとした場合には事実と菅沼氏の意見を分けて考える必要があると思う。

  • 同和関係と在日がやくざに多いというのは納得。社会的強者や多数派が暴力団になるメリットは少ない。
  • やくざの影響が経済から外交まである→多少割り引いて考えるべき。それほどまでに強力な政治力を持つのならば暴力団対策法自体を止められたはず。ただし、個人に対する影響力は十分あり得て、個人に対する影響力を通して外交や経済に影響を与える可能性はあり。個人に対する影響力は、敵対する個人が非常に強い、あるいは時代の趨勢や組織の力が強い場合には思ったとおりの影響力を行使することが難しくなる(個人が屈しても、他の人が遂行しちゃったら結果は同じ)。
  • 菅沼氏の話は反証不能であること、また、情報源がやくざ自体からであることから考えると、事実として企業への関与はあるけれども、影響力がどれくらいの大きさになるのかをこの会見から判断するべきではない。やばい経済学のレヴィット氏に分析してほしい。
  • 右翼団体への転身の話から、やくざの個人への影響力の大きさが垣間見える。
  • 日本が諜報活動に対して脆弱であるという話はあまり参考にならない。自分を守るということと誰に守ってもらうかは別の話。自分を守るための方法として誰かに守ってもらうというのは一つの解決法であるのだから、菅沼氏の意見に従えば、日本人は自分を守るということを考えていないというのが正確ではないかと思う。アメリカに守ってもらっているからというのは、自分を守ることを真剣に考えないという原因ではあろうと思う。でも、心がけの話は反証不能なので議論しても意味がないかな。
  • 日本の社会の特性として縄張り意識が強いというのは、英語にsectionalという単語があるのだから日本特有の話ではないと思われる(本当に日本特有であれば、肩こりのようにその概念自体が明確化されていないはず)。
  • 日本版CIAは公安調査庁を改組して作ればよいように思うけど、たぶん、それは素人考えなのだろう。