やばい経済学

すごく面白い本。その上、興味深いのは、「何かを調べようとしたときにどのデータを調べるか」ということに能力が必要であるということがわかる点にある

それが顕著にわかるのが相撲に八百長があるかどうかを調べるという項目。50ページから52ページにその詳細がある。
まず、八百長をする人の気持ちになって、どういう状況ならば八百長をしたくなるか、また、どういう状況ならば相手が八百長にのってくれるかを考える。その結果7勝7敗の力士が8勝6敗の力士に八百長をしかけるのではないかという仮説が出てくる。

そして、次に、その仮説を実証付けられるデータを探す。7勝7敗の力士と8勝6敗の力士の対戦成績を探す。そして、すごく重要な点としてその仮説があっているか間違っているかを判断するための基準となるデータも一緒に探す。今回は、同じ対戦相手だが互いが7勝7敗でないときの対戦成績を探す。何かが基準からはずれるといいたいときには必ず基準自体を見せなければならないというデータ分析の基本がわかる。

もうひとつは、この仮説を導き出す発想力とその仮説を裏付けるためには何を調べればよいのかを思いつき、探し出せる幅広い知識がすごい。勉強になる。

各所でお勧めになっている理由がわかる。本って面白いね。