何が良くないのか切り分けてみる

理系白書ブログ:新聞を読むということ
http://spaces.msn.com/members/rikei/Blog/cns!1pqciTw8cEc9bQRgc8cCtTYg!2379.entry
のコメント欄で

新聞読まないと、こういう頭おかしい入試問題を平気で出題したりする。
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050610k0000e040040000c.html

とあったので、どんな記事かと思いみてみたところ確かにまずい試験問題だと思います。ただし、この試験問題のどこをまずく感じるのかというのは案外人によってばらばらであるでしょう。

毎日新聞によれば、試験問題は英語教師が作った問題で、以下の設定になっているとのこと。

沖縄県で生徒は、防空壕(ごう)に入った後、ひめゆり学徒隊の女性から体験談を聞いて「退屈で飽きた。彼女が話せば話すほど、私は防空壕で受けた強い印象を失った」と感じ、「(女性が)いろんな場所で証言をしてきて、話し上手になっていた」との感想を書いたという内容になっていた。

 そのうえで「なぜ筆者は聞いた話が気に入らなかったのか」という問題を出し、「彼女の話し方が気に入らなかった」という選択肢を正解として選ばせていた。

上記の試験問題は、

1. ひめゆり学徒隊の活動に対する批判
2.ひめゆり学徒隊の活動に対する批判を試験問題という形で強制的に受験者に読ませること
3.ひめゆり学徒隊の活動に対する批判に試験問題を解くという形で強制的に同意させること

の3点が議論を招く部分であると思います。

私が、まずい試験問題であるなと感じたのは2と3に関してです。
まずいことがあるならば、出来る限り真正面から批判や助言をすべきです。真正面から行わない批判や助言は、相手に伝わらないので意味がなくなり、単なる悪口になってしまいます。この点、この試験問題は陰湿です。

一方で、1に関しては、物事にはいろいろな側面がありますし、人の感じ方も様々ですのでしょうがないことであると思います。世の中全員が賞賛する物事というのは世の中には存在しないですし。

どんなに良いことでも、どんなに価値のあることでも、伝え方が悪ければ相手にその価値が伝わらないということはよくあることで、何かを伝えたい立場の人間にとって肝に銘じておくことです。その点、この試験問題は良い教訓話になっていると思います。

しかし、この話を伝えるのが主眼であるならば何も現実に意義ある活動をしている方々を題材にとらなくても、架空上の組織や個人を例に教訓話を伝えたら良いだろうと思います。ですから、私は、2と3が問題なのだと考えます。