後付けの肯定

書きながら考えるという話につながる気がする。

  • 水野
    • 8月27~28日が海老名運動公園、9月10日、11日が厚木市荻野運動公園。どちらも陸上競技場なんですけど、そこでやりますので、もしよろしかったらみなさんぜひ。あと、その前にニューシングルも出しまして、『ぼくらのゆめ』と『ラストシーン』という映画『四月は君の嘘』の主題歌の両A面シングルが出ます。
  • 権八
    • どういう思いで出された曲なんですか?
  • 水野
    • 映画の物語の中にあることもうまく取り入れながら、そこにインスパイアを受けながらつくった曲です。一応、今回の話でいうと、自分の中にテーマとしてあって、いろいろとポップな曲を書くんだけど、最終的に終わりがあるということをいつも書こうとしていたんですね。最終的に死んじゃうぞみたいなことを必ず書くようにしていて。
    • その考えがちょっとずつ変わっていって。震災があって、大切な方を亡くされたりして、終わりの後を生きなければいけない人が結構多くいるじゃないですか。ご夫婦で連れ添っていて、片方が亡くなって、これからも生きなければいけないという。でも、ちゃんと思い出を背負っているみたいな。そういう曲も必要だと思っていて。
    • 1つの別れがあって、次になんとか思い出を抱えながらもスタートしていくみたいなことが曲にできればいいなと思って。今回はそういうテーマの曲ですね。
  • 澤本
    • テーマが多いね。
  • 水野
    • しゃべってるだけですけど(笑)。
  • 澤本
    • でも、こういうときにしゃべってると、実は自分でこういう風に思ってたんだと気が付くことあるじゃないですか。
  • 水野
    • そうですね。僕はほとんど後付けで(笑)。
  • 澤本
    • 後付けって実は素晴らしいと思っていて。それはウソじゃなくて、自分で何をやっているかわからないことでも、こうやってしゃべっていると後付けでパッと言えるときはちゃんとそのときに思ってるんですよ、絶対に。
  • 水野
    • 勇気づけてもらいました。
  • 澤本
    • いやいや、僕なんて全部後付け人生ですよ(笑)。
  • 権八
    • なんかいいこと言ってるような(笑)。

いきものがかりが「男性2人、女性1人」になったのは、マーケティングの結果だった!?(ゲスト:水野良樹さん)【後編】 | AdverTimes(アドタイ) - Part 5より)

以下は上の出典の記事。おもしろい。
www.advertimes.com
www.advertimes.com

文化を創るデザイン

ビッグデータに基づくデータマイニングを補完する視点

僕はデザインには2つの役割があると思っています。
ひとつは人の要望を満たすデザイン。たとえばこういう機能が欲しいって言われたからその機能をつける、そういった役割。

もうひとつは、人の行動を変えるデザイン。例えばiPhoneが出た当初、スマートフォンはBlackBerryが市場を占めていました。それまではハードウェアのキーボードのボタンがついているのが常識でした。ただiPhoneはそうしたデザインのすべてをそぎ落として、ひとつの方向性を提示した。そしてそれによって人の行動が変わりました。こういう人の行動を変えるデザインって強い信念が必要だと思います。まだ世の中に受け入れてないものを、それでも「これが正しいんだ」って貫かないといけない。

面白い例えがあります。財布のデザインを頼まれた。ユーザーはクレジットカードを平均10枚は持っているので、それが収まるようにデザインを依頼される。一つの方向性は、もちろんカードが10枚うまく入る財布をデザインすること。ただ逆の方向性もあって、3枚しか入らない、けれどその分薄くて持ち運びに便利な財布をデザインするってことも考えらえる。3枚しか入らないので持ち主には必要なカードを選んでもらわないといけない。ただその行為を強いることで、実際に必要なクレジットカードって実は1枚か2枚ってことを気付かせることになるかもしれない。もしくはどうやったらカードの量を減らせるかっていうことを考えるきっかけをつくるかもしれない。

そういう要望とは別の、人の行動を変化させるデザインが面白いと思う。Ingressもそういうデザインを意図しています。本来ゲームって家の中でやるものですよね。でも世の中を良くするためには人が外に出た方がいいんじゃないか、じゃあどうやったら人を外に出せるゲームを作れるか。人の行動を変えるのは簡単なことではありません。でもどうすればデザインやテクノロジーの力で人の行動を変えることが実現できるのか、それがIngressの挑戦です。

行動が変わる、そうした能動的な「気付き」が達成できると自然と愛着も湧くんですね。愛着が湧くから人にも伝えたくなる。それがIngressが広まった大きな理由だと思います。

Ingress、ポケモンGOの開発現場。Niantic川島優志さんに聞く。【前編】 | AdverTimes(アドタイ) - Part 2より)