Google Scholarの機能を使って自分の論文の引用状況を調べる

宮川さんの以下の論文で紹介されていたGoogle Scholarで自分の論文の引用状況を調べる機能がすごいのでやり方をメモする。

  1. Google Scholarにアクセスする。
  2. 日本語版にはリンクがないので、右下の「Google Scholar in English」をクリックする。
  3. 右上に表示されている「My Citations」をクリックする。これが表示されていない場合はGoogleGMail)にアカウントを作成してから、このページまで戻ってくること。
  4. 名前、所属(Affiliation)、E-Mail、分野(Interest)が尋ねられるので入力する。私は名前、所属、E-Mailだけを入力した。
  5. 次に自分の論文を選択する画面になる。自分の論文を選択する(同姓同名が多い人だと大量の論文が表示される恐れがある)。
  6. 以上でおしまい。このMy Citationsのページを公開するかどうかは選択できる。

研究者としてやっていくつもり(R&ReaDにアカウント持っている)なら、公開してもよいのではないかと思う。R&ReaDにこのリンクを貼りつける項目がほしい。

論文数が100ぐらいならば、10分〜20分でMy Citationのページがつくれるのでおすすめ。なお、日本語論文に対応しているかは確認していない。日本語論文も扱えた。著者名を日本語で検索すれば探すことができる。

追記

ネット上で論文情報を提供している場合はGoogle Scholarのデータベースにも論文情報が登録されている様子。そうでない論文は自分で論文情報を入力しないといけない。

また、ネット上でPDFファイルおよび引用情報が公開されている場合に限り、その論文からの被引用数がカウントされる。つまり、以下の論文から引用されていても、被引用数は増えない。

  1. 論文のPDFファイルをGoogleが取得できない
  2. 論文の引用文献情報をGoogleが取得できない

よって、論文の電子化および論文データベースの整備が遅れている分野は、Google ScholarのMy Citations機能は役立たない。

追記(2012年6月5日):共著者の付け加え方

「My Citations」を作成したあとに、右上にある検索欄に共著者名をいれ「Search Authors」で検索する。もし、共著者がMy Citationsを作成していれば、表示されるので共著者に付け加える。

リンク:宮川 剛, 科学技術研究における多様なメトリクスの重要性一研究者の視点から, 情報管理, 5巻3号, 2012年

読んだ。研究を生業としているかた、したいかた必読。

引用される影響力を持っている論文を書いていない身としては非常に耳が痛いがとても重要だと思う。ちょっと気になる点としては評価に用いる基礎データのほとんどが私企業が出すデータであるという点。この部分は複数のソースを利用することで緩和させればよいと思う。まずは、競争的研究資金の獲得に評価指標の導入を行えば良いと思う。

自分自身や自分の分野が評価指標を用いた評価によって苦しくなる可能性があるとしても以下のことを緩和できるならば、とりあえずまずは入れてみるというのが良いと思う。

研究においては多様性や独立性が欠かせないものであり,評価を一部の偏った人に集中させないことも大切である。わが国では特定の少数の研究者に審査が依頼されることが多く,この弊害として権力の集中や「出来レース問題」なども指摘されている。「評価者としての評価」のメトリクスなどを用いて評価者の多様性を確保したり,個々の研究者が行った競争的研究資金の審査の回数をe-Radなどを用いて把握し年間の上限を設けるなどして「審査・評価の過度の集中」が制限されるようになるべきである。
(p. 163より)

また、大学や国立研究所をどのような位置づけにするのかにもよるのだけれども、科学や技術の研究成果を社会に還元するという観点での評価指標の構築も必要だと思う。