Yahoo知恵袋を用いたカンニングについての覚書

自分の考えをまとめておく。(追記:kikumacoさんのつぶやきが多くの論点を整理していると思うのでそちらもご参照ください。Togetter:試験時間中のネットを利用した試験問題流出について

  • Q:カンニングごときに警察を動かすべきだったの?
  • A:私は、今回のケースならしょうがないと思う。実行したのは誰かを特定する捜査力を大学は持ち合わせていない。理屈は以下のとおり。
    1. カンニングを行った人は不合格にするべきだ。あるいは、カンニングでなく業務妨害の恐れもあった。
    2. そのために誰がそれを行ったのかを特定しなければならない
    3. そのためにYahoo知恵袋から、利用者の登録情報とアクセスログを手に入れなければならない。(Yahoo Japan!プライヴァシーポリシー:個人情報の第三者への提供
    4. Yahoo Japanから手に入れたIPアドレスを管理しているサービスプロバイダーから、該当するIPアドレスをどの契約者が使っていたのか、および、その契約者情報を手に入れなければならない(今回の場合はNTTドコモ NTTドコモ:お客様の個人情報に関するプライバシーポリシー
    5. Yahoo Japan!およびNTTドコモのプライバシーポリシーからすると、裁判所経由か警察経由でないと個人情報の取得が難しい。
    6. 裁判所経由だと時間がかかり、今シーズンの入学手続きに間に合わない。
  • 今後、大学や資格試験実施組織からの開示要求に応じて、個人情報を提供してくれるようにプライヴァシーポリシーが変更されるならば、大学だけで対応できるかもしれない(人材が足りないと思うけど)
  • Q:逮捕するべきだったの?
  • A:報道によると逃げていたようなので逮捕はしょうがないのではないかと私は思う。
  • Q:起訴すべきなの?
  • A:どうなのだろう?わからない。
  • Q:未成年なのに警察はこんなに情報をリークしてよいの?
  • A:私はこれは問題だと思う。この件に限らず、捜査情報のリークはおかしい。報道する側もおかしい
  • Q:道義的にカンニングは許せないものだとして、カンニングに懲罰を与えるために適用できる刑罰を検討するという姿勢は大丈夫?
  • A: 私はこれは問題だと思う。要件を満たしているならば該当する刑事罰を課せば良い。悪党はどういう手段でも良いから罰を与えよというようになるのは良くない。警察官、検察官も私と同じ人間。間違ったり、理性が曇ったりすることがある。

各大学は再試験の実施などは予定していない。捜査関係者によると、偽計業務妨害罪で立件するためには、これらの投稿によって、大学の業務が実際に妨げられた事実が必要で、投稿者が受験生であった場合に、適用できる罪名についても引き続き検討を進める方針だ。
京大が被害届提出へ 偽計業務妨害容疑、試験投稿問題

  • Q:卒論のコピペの方が問題じゃないの?
  • A:問題だと思う。でも、卒論コピペは誰が行ったのかがはっきりしているので捜査する必要はない。学則に従って処分すれば良いと思う。
  • Q:最近の若者が堕落している例としてあつかわれているけど?
  • A:そんなたわごとを真に受けてしまう人がマズイと思う。
  • Q:ネットの普及が問題と言われているけれども?
  • A:カンニングの方法が増えただけの話。技術の進歩とともにカンニング技術や手法が変わるだけ。セキュリティの基本。
  • Q:入試制度が悪いのでは?
  • A:それはそれ、これはこれ。
  • Q:試験監督の怠慢では?
  • A:カンニングの実施手法によってはその可能性もある。ただし、3/3(木)のフジテレビ「とくだね」で検証していたような手法を使われた場合は、試験監督がカンニングに気づけるかどうかは疑問。
  • Q:これは〜に対する一種のテロでは?
  • A:「〜に対する一種のテロ」って使いやすい言葉ですよね。
  • Q:これは〜という**みんなに対する侮辱ですよね?
  • A:「〜という**みんなに対する侮辱」って使いやすい言葉ですよね。

報道

都大学(京都市)など4大学で入試問題の一部が試験中にインターネット上の掲示板に投稿された問題で、警視庁は、今回の行為が入試業務を妨げた偽計業務妨害などにあたる疑いがあるとみて、捜査に乗り出す方針を固めた。早稲田大(東京都)と立教大(東京都)が28日、警視庁に状況を報告した。

 警視庁は、インターネットや携帯電話の業者から通信記録などの提出を求めることを検討。すでに捜査を始めている京都府警とも連携し、投稿者の特定を進める。

 捜査関係者によると、警視庁では、捜査1課が捜査を担当する方針。大学側から被害届や告訴を受けた上で、問題が投稿された「ヤフー知恵袋」を運営するヤフージャパンに対し、投稿元の端末のネット上の住所「IPアドレス」や、会員に関する情報などの提供を求めるとみられる。

 問題が投稿された京都、同志社、早稲田、立教の4大学は28日、それぞれ京都府警や警視庁に被害を届け出たり状況を説明したりした。

 京都大は京都府警と協議し、偽計業務妨害容疑で近く刑事告訴する方針を決めた。当初は被害届を提出する予定だったが、刑事訴訟法上の手続きである告訴によって処罰を求め、確実に捜査してもらうためという。大学としても調査し、資料も提出する。

 京大は、入試問題の投稿が発覚後、事実確認作業などに追われており「入試の公平性を侵害し、入試業務に著しく支障をきたした」ことが偽計業務妨害罪にあたるとみている。広報担当者は「重大性を考え、刑事罰に問える確実な方法を探っている」と話す。

 同志社、早稲田大などでは、試験を受けた受験生の答案と、掲示板に「解答」として寄せられた内容を照合する独自の作業も進める。

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 入試問題が投稿されたサイト「ヤフー知恵袋」に昨年12月22日から今年1月5日の約2週間の間に、入試問題の投稿者と同じIDで、大手予備校「河合塾」(名古屋市)の冬期講習の問題が9回投稿されていたことがわかった。受験前に塾の講習を受けていた可能性がある。

 河合塾によると、投稿されていたのは昨年12月12日〜今年1月6日、全国で開講した「京大英語」(16校で計559人が受講)と「京大文系数学」(15校で計225人が受講)の問題の一部。数学は入試問題と同様「解答だけでなく途中式もよろしくお願いします」と書き込まれていた。

 同じIDでの質問はこれまで27件(27日時点で3件削除)で、12件が4大学の入試問題だった。ネット上に残る質問のうち、河合塾の問題が9件あり、ほか3件は病院などを尋ねる質問だった。

 冬期講習は外部の受験生も受講できる。答えや解法は講習内で教えるため、答案集は作っていないという。

 河合塾は「目的や意図が分からないのでとまどっている」とした上で「警察から依頼があれば協力する」としている。

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 〈偽計業務妨害罪〉 警察や消防、企業などへの度重なるいたずら電話や、ネットでの犯罪予告などに適用され、3年以下の懲役または50万円以下の罰金を科される。

 首都大学東京法科大学院前田雅英教授(刑事法)によると、同罪の「業務」が指す範囲は広く、判例上も緩やかにとらえられてきたという。入試が業務に当たることは過去に京大の大学院入試を巡る裁判で判断が示されており、今回も「幅広く大学の入試業務を妨害したとの解釈で同罪を適用することに争いはないだろう」と話す。

京都大など4大学の入試問題がネット掲示板に投稿された事件で、京都府警は3日午後、投稿に使われた携帯電話を所持していたとみられる仙台市在住の男子予備校生(19)の事情聴取を始めた。捜査関係者への取材で分かった。予備校生は一時所在不明となったが、宮城県警が同日正午前に同市内で身柄を確保した。府警は偽計業務妨害容疑で同日午後に逮捕状を請求。容疑が固まり次第、逮捕する。

 捜査関係者らによると、予備校生は山形の県立高校を昨春卒業。現在は仙台市内の予備校に在籍し、同校の学生寮に住んでいる。今年2月8〜26日にそれぞれ実施された、同志社大京都市)、立教大(東京都)、早稲田大(同)、京都大(京都市)の入学試験を受験していた。

 大学側は同26日、各大学の英語や数学の試験中に計12回、ネット掲示板ヤフー知恵袋」に「解答」を募る投稿が繰り返され、別の投稿者から解答が寄せられていたことを確認。捜査関係者によると、このうち京都大での予備校生の答案は、投稿された解答とほぼ同じだったという。

 京都大は3日午前、偽計業務妨害容疑で被害届を京都府警に提出した。

 解答を求める投稿には、いずれも「aicezuki」のIDが使われていた。同一のIDは、予備校生が在籍していた大手予備校が京大受験生向けに昨年12月〜今年1月に行った冬期講習の問題が、掲示板に投稿される際も使われていた。

 山形県の教育関係者らによると、予備校生は家族や出身高校に対し、試験結果について、不正が発覚した4大学のうち1校と、4大学以外の私立大の計2校に合格したと伝えていたという。

 府警は、予備校生が投稿に関与している可能性があるとみて、3日に複数の捜査員を仙台市に派遣。偽計業務妨害容疑で任意で事情聴取する予定だった。しかし、予備校生は2日ごろから、学生寮を外出したまま一時所在が分からなくなった。3日午前11時50分ごろになって、宮城県警の捜査員がJR仙台駅構内で予備校生を見つけた。捜査関係者によると、母親が家出人捜索願を出し、県警などが捜していたという。

 一連の投稿をめぐっては、京都府警などは、ネット掲示板を運営するヤフージャパン(東京都)から、投稿に使われた際のネット上の住所にあたるIPアドレスや端末の識別番号といった情報を入手。投稿に使われた携帯電話がNTTドコモの端末であることを割り出した。

 その後の調べで、携帯電話は、山形県内に住む予備校生の母親名義で契約され、予備校生が使用していたことが判明したという。

京都大など4大学の入試問題がインターネットの掲示板に試験中に投稿された事件で、京都府警は3日、任意で事情聴取していた仙台市在住の男子予備校生(19)について、ネット投稿で大学入試を妨害した疑いが強まったとして、偽計業務妨害容疑で逮捕した。

捜査関係者らによると、予備校生は2月25、26両日にあった京都大の試験中、掲示板「ヤフー知恵袋」に「解答」を募る投稿をした疑いがある。この投稿に対し、別の投稿者から多数の解答例が寄せられていた。

府警は、投稿によって試験の公平性が損なわれたうえ、京都大が内部調査などの対応に追われたため、業務妨害罪を構成すると判断した。

Engineering Village

計算機科学系でかつ中国で開催される国際会議では良く「この会議の会議録(Proceedings)に掲載された論文は、SCIやCompendexに載るよ!」という記述がついている。これは、中国の修士課程では、SCIやCompedexに論文を掲載しないと修了できないかららしい。

Engineering Villageは、Compendexなどの工学系文献インデックスが検索できるらしい。図書館および組織単位で利用を契約する仕組みの様子。

そういえば、前にも調べていた。

工学系のCompendexがエルゼビア、科学系のSCIがトムソン・ロイターか。