AoE (Anywhere on Earth)とはなんぞ

まとめ

AoEは標準時の決め方で「UTC - 12時間」。日本標準時(JST)を使うと「JST + 21時間」 「JST - 21時間」

本文

国際会議の論文募集(Call for Paper)を眺めていたら以下の記載があった。

For each of these deadlines, a cut-off point of 23:59 AOE (anywhere on earth) applies.
RuleML+RR 2018: Important Datesより)

どういう意味?と思ってGoogleで調べたところ標準時間(UTC)から12時間引いたタイムゾーンとのこと。つまり、「ある日」が地球上で最も遅く終わる地域のタイムゾーンの意味らしい。

Anywhere on Earth (AoE) is 12 hours behind Coordinated Universal Time (UTC). This time zone is in use during standard time in: Pacific.
AoE – Anywhere on Earth (Standard Time)

IEEE 802で規程されているらしい。

IEEE 802.16 Working Group ballot deadlines are established as the end of day "AOE", for "Anywhere on Earth." This means that the deadline has not passed if, anywhere on earth, the deadline date has not yet passed.
IEEE 802.16 AOE Deadline Documentation

日本標準時(JST)は「UTC + 9時間」なので、AoEは「JST + 21時間 JST - 21時間(UTCを挟んで12時間+9時間)」となる。世界中において公平な締切だ。

追記

あけましていきなりミス。JST + 21時間だと、AoEの締切の後にJSTの締切が来ちゃいますね。ご指摘ありがとうございます。

年齢別飲酒習慣の年次推移

TwitterのTLを眺めていて以下のようにツイートした。

それに対して以下のようなコメントをいただいた。

調べてみた結果、ご指摘のとおりだった。確かに最近の学生でお酒を飲まない人は多くなった。

飲酒習慣について

Googleで飲酒習慣の年次推移を探したところ該当するものがなかったので作成した。

以下のグラフと表は、厚生労働省: 国民健康・栄養調査の「飲酒習慣の状況(性・年齢階級別)」を元に作成。この「飲酒習慣」は、週3日以上で1日1合以上飲酒する者を「飲酒習慣あり」としている。 厚生労働省: 飲酒習慣者の年次推移(性・年齢階級別)によると、平成15年度以降と前では統計の取り方が変わっているため直接比較はできないとのこと。また、平成25年度はなぜか「飲酒習慣の状況(性・年齢階級別)」がない(翌年から復活している)。

f:id:next49:20171230013743j:plain

「飲酒習慣の状況(性・年齢階級別)」より総数の年齢階級別「飲酒習慣がある」割合(%)

元号 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70歳以上
H1 16.9 27.3 30.8 29.1 23.1 16.7
H2 16.2 28.2 31.5 30 27 15.8
H3 14 27.3 31 28.5 25.1 18
H4 15.2 27.3 31.5 30.7 27.1 15.7
H5 13.4 25.1 29.2 27.8 24.1 16.5
H6 13.7 24.1 26.8 27.7 23.9 16
H7 17.8 30.4 32.1 29.6 27.5 19.3
H8 18.9 30.5 32 30.4 26.3 16.6
H9 17.6 29.5 32.4 31.5 25.8 19
H10 17.5 29 33.5 32 27.6 20
H11 16.7 26.3 30.9 33 26.9 20.5
H12 17.2 29.8 29.9 31.2 30.9 18.2
H13 19.3 26.1 33.2 30.5 28.2 20.8
H14 14.6 22.4 32.2 31.4 26.2 20.2
H15 24.2 29.8 33.8 29.7 23 11.9
H16 11.4 23.2 28.5 28.8 22.4 11.4
H17 13 24 29.3 27.1 21.2 10.5
H18 10.1 22 27.4 29.1 20.2 9.5
H19 10.7 23.5 31.8 25.6 22.2 11.1
H20 11.5 20.7 24.8 27 23.4 11.6
H21 8.7 21.4 28.3 28.0 22.5 11.3
H22 9.3 20.7 26.0 25.3 24.7 12.4
H23 11.6 23.1 25.7 30.0 22.7 10.2
H24 8.5 20.0 24.5 26.5 24.5 12.1
H25 N/A N/A N/A N/A N/A N/A
H26 6.0 19.3 27.7 28.4 25.4 12.6
H27 7.1 18.8 23.8 29.0 23.8 12.2
H28 7.5 18.6 25.9 28 25 11.3

全体として減少のトレンドがあるように見える。特に若者は減っている。一方で以下のような記事もあった。

明日香はまず、厚生労働省の統計を調べた。同省は日本酒換算で1日1合(ビール中瓶1本)以上を1週間に3日以上飲む人を飲酒習慣者と定義し、調査している。飲酒習慣者の割合は2003年の21%から12年には20%へと微減だった。よく見ると男性は20~50代で割合が減り、女性は40代以上で増えていた。

ところが国税庁の統計をみると、酒類消費量は増えていた。1996年度の965万キロリットルをピークに減少傾向だが、12年度は853万キロリットルと3年ぶりに増加。総務省の調査では13年に2人以上世帯で家飲みと外飲みの支出がともに増え、単身世帯では支出総額が34歳以下の男性で08年以来の水準に回復、34歳以下の女性は過去最高額となった。
若者の飲酒、実は増えている?|ライフコラム|NIKKEI STYLEより)

アルコールによる健康被害について

厚生労働省の平成28年「国民健康・栄養調査」の要点は以下のとおりです。

生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合は、男性で14.6%、女性で9.1%である。平成22 年からの推移でみると、男性では有意な増減はみられず、女性では有意に増加している。年齢階級別にみると、その割合は男性では50 歳代、女性では40 歳代が最も高い。
日本生活習慣病予防協会:生活習慣病リスクを高める量を飲酒している男性は14.6%、女性9.1% 平成28年 国民健康・栄養調査より)

~報道ガイドラインへのリンク

メモ:東名事故でデマ拡散

デマが流されたのが2017年10月、家宅捜索に至ったのが2017年12月。

www.asahi.com

神奈川県大井町の東名高速でワゴン車が大型トラックに追突され、夫婦が死亡した事故をめぐり、北九州市の建設会社に中傷や嫌がらせの電話が殺到、社長の個人情報がさらされた。ワゴン車の進路をふさぎ、事故を引き起こしたとして逮捕された男の「父親」と社長を名指しする誤情報がネットで拡散したためだ。

www.bengo4.com


www.nikkansports.com

www.asahi.com

神奈川県大井町の東名高速でワゴン車が大型トラックに追突され、夫婦が死亡した事故をめぐり、福岡県警は22日、インターネット上に誤った情報を書き込んだり、拡散させたりして、無関係の人物の名誉を傷つけたとして、複数の人物の関係先を名誉毀損(きそん)容疑で家宅捜索した。捜査関係者への取材でわかった。個人情報やデマを書き込まれたため、嫌がらせの電話が殺到した北九州市の建設会社が被害届を出していた。

斉藤章佳: 男が痴漢になる理由

読み終わってちょっと凹んだ。自分の中の見たくない面を見させられた感がある。女性専用車両に批判的な目で見ていたけど、存在してしょうがないかなぁと考えが変わった。

男が痴漢になる理由

男が痴漢になる理由

ddnavi.com
ddnavi.com

この本の白眉は、痴漢は依存症の特徴を満たしているとした上で、でも、被害者を生む加害行為であるということを絶対に忘れていない点だと思う。Kindle版なのでページ数がないのだけど、「犯罪化する性嗜好障害には専門の治療が必要」という節より

アルコールや薬物、ギャンブルなどに耽溺した人間は、それらを前にしたとき、とても無力です。自分が対象となるものを支配していると思っていたのに、その実、知らないうちに自分の方が支配されていた… この「自分の力ではどうにもならなさ」がコントロール喪失であり、その無力感を認めるところから、回復への道のりがはじまります。

しかし痴漢を含む性暴力には、被害者がいます。「コントロールでできない」「無力である」と認められてしまうと、加害行為の責任を放棄していいという世界観につながりかねません。被害者がその背景に必ずいるため、性暴力については「自分の無力を認めることで回復が始まるわけではない」という発想の転換が必要です。

「痴漢行為を過度に『病気』扱いしてはならない」という節より

「痴漢は性依存症という病気である」

このことが社会的にもっと知られるようになり、ひとりでも多くの痴漢行為に耽溺している者、夫や息子が逮捕されて再犯を恐れる家族に届いてほしいと願います。が、その反面で、このフレーズの取り扱いには十分注意が必要であることも忘れてはなりません。

病気、というと痴漢本人に「だったら、やってしまうのは仕方ない」「自分が悪いのではなく病気が悪い」「病気だから、繰り返してしまうのだ」という発想を植え付けかねないからです。

それは自らが犯した行為の責任から目をそむけていることにほかなりませんし、被害者からすれば加害者が病気だったからといって受けた傷が軽くなることはありません。プラスのスティグマ(烙印)というべきものを、加害行為をした人間が引き受けるのは非常に無責任かつ危険なことです。病気だとみなすことを「病理化」といいますが、過剰な病理化は加害者の責任性を隠蔽する機能を持っていることを、常に大前提にしておく必要があります。

第4章の「やめたくても、やめられない」のところにでてくるアクセスが容易なアダルトコンテンツについての意見は現場の立場からするとそうなんだろうなぁと思わされる。ただ、「強姦や強制わいせつの容疑で逮捕された553人のうち33.5%が『AVを観て自分も同じことをしてみたかった』」と回答したというエピソードから「『現実は現実、ファンタジーはファンタジー』と区別がついていると言い切ることが難しいパーセンテージではないでしょうか。」というつなげるのは、そうでない男性に同じ質問をしてパーセンテージ見ないとなんとも言えないのではないかと思った。一方で、そのように感じることがあるという事自体が、偶然が重なれば痴漢行為につながるというのであれば、まさに男性であることの原罪という感じがする。

依存症からの回復(依存をやめ続ける)や依存症になるのを回避するキーワードとして、この本に登場するのがコーピング。大学自体にコーピングをたくさん身につけておくのは重要だと思った(本の中では依存症の人は傾向としてコーピングのバリエーションが少ないということが述べられている。)
next.rikunabi.com
www.nhk.or.jp

私はストレスがかかったり、自分に自信が持てないようなときに「なんかしらんけど、相手が私に手を出してきたのを叩きのめして『俺つえぇー』」という妄想をしていることがある。もう、アラフォーなのに中2病全開の妄想でアレなのだけど。この妄想をしているのに気づいたら「ああ、今、私は傷ついている/疲れているんだな」と認識するのだけど、これは上のリンクでいう「認知的コーピング」というやつなのね。とまれ。

痴漢、セクハラ、依存症、ストレスへの対処などいろいろと知ったり、考えたりするのに大変よい1冊だった。ただ、男性だと私みたいに憂鬱な気分になったり、怒りを覚えたりするかもしれない。体調整えて読んだほうが良い。

あと、痴漢は性的暴力を振るった相手の女性だけでなく、母親や妻へも加害しているのと同じだということを7章「離婚しない妻、自分を責める母ー加害者家族への支援」を読むと切実に理解できる。