アカハラを防ぐ大学教員しぐさ「常に学生に録音させる」

最近の学生のほとんどはスマートフォン or タブレットを所持しているので、教員と学生でミーティングするときには必ず学生に録音させるようにしておくとよいのではないかと。

元々は私がついていた教授がやっていたこと。最初は留学生とミーティングするときにICレコーダーで録音させていたのが、徐々に日本人学生にも録音させるようになり、最終的には「ミーティングしましょう。録音して下さい。」と決まり文句に発展していた。私もそれを受け継ぎ、学生とミーティングするときには録音させるようにしている。ミーティングを録音させておくと以下の点で大学教員にもメリットがある。

  • 「言った」「言わない」論争にケリが付く。特に常に「ミーティングしましょう。録音して下さい。」と言うようにしていれば、「言った」「言わない」論争が発生したときに「あのときの録音出して下さい」といえば終わる(当然、自分が「言った」つもりが「言っていなかった」、「言わなかった」つもりが「言っていた」と論争に負ける場合もあるけど)。
  • 「録音されている」ということが常に意識にあるので、暴言を吐きづらくなる。結果として、アカハラ発生を防ぐことになり、自分も職を失いづらくなる。

録音されている状態で暴言吐いてしまったら、すぐにごめんなさいするしかない。

関連過去エントリー

next49.hatenadiary.jp

エンダーのゲーム~シャドウ・パペッツ

積読であって「エンダーのゲーム」を読み、面白かったのでその続編の「エンダーズ・シャドウ」「シャドウ・オブ・ヘゲモン」「シャドウ・パペッツ」を続けざまに読んだ。面白かった。

「エンダーのゲーム」は1985年の出版。エンダーシリーズの始まり。2013年に映画化されていたときに再販。数年前にAmazonで安売りしていたので購入。一読しただけだと、いろいろと腑に落ちないところがあるけど面白かった(エンダーが1度も負けられないと思い込む動機が分からない。最初の「モニター」の設定はエンダーの兄弟だけ?なんであの3兄弟はあんなに優秀なの?ラストのあの場所はどういうことなの?など)。
エンダーのゲーム〔新訳版〕(上)
エンダーのゲーム〔新訳版〕(下)

エンダーシリーズは、エンダーを主人公とするシリーズと、「エンダーのゲーム」の登場人物の一人であるビーンを主人公とするシリーズに分かれる。こちらは、ビーンを主人公とするシリーズ。このエンダーズ・シャドウはビーンの視点から「エンダーのゲーム」を語りなおす話。私は本編の主人公絶対主義なので、番外編やサイドストーリーの方の主人公が実はすごく優秀で本編主人公を越えた逸材だけど、もろもろの理由で本編主人公を手助けしていましたみたいな話が大変苦手。なので、この本のあらすじを見たときに「これは苦手なやつか?」と思ったのだけど、ちゃんとエンダーとビーンが両立しており、大変楽しめた。また、「エンダーのゲーム」でよくわからなかったエンダーやその仲間たちの振る舞いについて補足が入っているので、だいぶ「エンダーのゲーム」が整理された。作者のつじつま合わせ能力(「エンダーのゲーム」との合わせ)は本当にすごい。
エンダーズ・シャドウ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
エンダーズ・シャドウ〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

引き続きビーンを主人公とした「エンダーのゲーム」のその後の話。大変楽しい。敵役もきっちり怖くて素晴らしい。エンダー兄のピーターがどんどんかわいくなる。
シャドウ・オブ・ヘゲモン(上) (ハヤカワ文庫SF)
シャドウ・オブ・ヘゲモン(下) (ハヤカワ文庫SF)

前作からの続き。一応のひと段落。
シャドウ・パペッツ (ハヤカワ文庫SF)

このシリーズは4部作らしいのだけど最後の2作は翻訳がとまっており残念。
Shadow of the Giant

Shadows in Flight: 5 (The Shadow Saga)

リンク:襲われる理由を指摘するのが馬鹿げたことなのがわかる動画

別の視点からみるとどういうことを自分がしてしまっているのかを考えてみるのは重要。

大学院生はORCIDにアカウントを作ろう!

かなり前に大学院生はみんなResearchmapに登録しようというエントリーを書きましたが、2017年の今はこちらをおすすめしたい「大学院生はORCIDにアカウントを作ろう!」

ORCIDって何?

ORCID (Open Research and Contributor Identifier)は、組織、専門分野、地域をこえ、研究者に1つのIDを与えることを目的とし、地域社会に拠点を置く非営利の取り組みです。
editage insight: ORCIDの研究者ID番号を登録してみようより)

ORCIDは、いま話題の「マイナンバー」と同様に、個人を特定するためのIDナンバーです。マイナンバーとの違いは、ORCIDは研究者が学術活動のために使うものだという点です。これまでは、データベースからある研究者の論文リストを作成しようとすると、同姓同名の研究者の存在、所属機関の異動、結婚による改姓、名前の表記の不統一などさまざまな障害があり、非常に困難でした。同姓同名の多い名前の研究者の方なら、このことは特に強く実感するのではないでしょうか。研究者一人ひとりがORCIDという固有のIDを持って、異動や改姓の後も一貫して利用すれば、研究者とその業績を正しく結びつけることが可能になります。
ワイリー・サイエンスカフェ:世界の研究者190万人が利用している「ORCID」って何? 研究者・学生もこれだけは知っておきたい基礎知識より)

どんなメリットがあるの?

上の紹介とも重複しているけれども。

  • 所属の変更、改姓などがあっても統一的に自分の業績(論文、外部資金、職歴、学歴)を管理できる。
  • 外部論文データベースから論文情報をインポートできる(工学系のSCOPUSもインポート先にある)
  • 日本における公的競争的資金の申請において、利用されることが決まっているresearchmapにORCIDで列挙した論文データを読みこませることができる。

外部論文データベースからのインポート

インポート可能な論文データベースはAdd works by direct import from other systemsに列挙されている。抜粋する。

  • Airiti
  • ANDS National Collections Registry
  • BASE (Bielefeld Academic Search Engine)
  • CrossRef Metadata Search:
  • DataCite
  • Europe PubMed Central
  • ISNI2ORCID
  • KoreaMed
  • MLA International Bibliography
  • Redalyc
  • ResearcherID
  • Scopus Author ID

私は工学系なのでSCOPUSから論文情報をインポートしてみたが大変便利だった。もちろん、手動入力も可能なので連携している論文データベースに無い論文は自分で入力すれば良い。

researchmapとの連携

researchmapは日本の公的競争的資金の申請に今後利用される見込みとなっている。researchmapの業績リストを最新に保っておくのは今後研究者になる際に重要な作業になる。

競争的資金を所管する関係府省において、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運用する国内最大級の研究者情報データベースである「researchmap」を活用し
ていく方針が定められています。また、科研費制度においても、応募の際に必要な研究業績情報については、科研費電子申請システムと「researchmap」とを連携させる方法
について検討しているところです。そのため、研究機関の事務担当者の方及び研究者の方におかれましては、「researchmap」へ研究者情報の登録をお願いします。
平成29年6月6日 独立行政法人日本学術振興会「科研費に関する意見・要望への対応について」(PDF)より)

researchmapはORCIDに列挙している論文情報をインポートすることができる。researchmap:マニュアル・FAQの「ORCIDを使用して論文を取り込む方法を教えてください。」にインポート方法がある。

ORCIDの登録方法

以下のサイトに登録方法の説明がある。
www.editage.jp