閣議決定と質問主意書

以下のツイートを見て、以下のようにツイートした。


それに対してご教示いただいた。


議長(衆議院議長・参議院議長)に提出され承認を受けた質問主意書は内閣に送られ、内閣は7日以内に文書(答弁書)によって答弁する。
質問主意書 - Wikipediaより)

1-2. 閣議案件

内閣総理大臣は、閣議において内閣の重要政策に関する基本的な方針その他の案件を発議することができ、また各大臣は、案件の如何を問わず、内閣総理大臣に提出して、閣議を求めることができます。

1-2-1. 閣議案件の種類

首相官邸ウェブサイトの閣議案件のページ外部サイトへのリンクによれば、閣議案件には次のような種類があります。

(1) 一般案件
国政に関する基本的重要事項等であって、内閣として意思決定を行うことが必要なもの

(2) 国会提出案件
法律に基づき内閣として国会に提出・報告するもの

(3) 法律・条約の公布
国会で成立した法律又は締結された条約を憲法第7条に基づき公布のための内閣の助言と承認を行うもの

(4) 法律案
内閣提出法律案を立案し、国会に提出するもの

(5) 政令
政令(内閣の制定する命令)を決定し、憲法第7条に基づき公布のための内閣の助言と承認を行うもの

(6) 報告
国政に関する主要な調査の結果の発表、各種審議会の答申等閣議に報告することが適当と認められるもの

(7) 配布
閣議席上に資料を配布するもの

このほか、内閣による人事や叙位・叙勲の決定も案件として閣議にかけられます。

閣議決定等の調べ方 | 調べ方案内 | 国立国会図書館より)

上記の「国会提出案件」に質問主意書の答弁書が含まれる。

(3) 報告書以外の国会提出案件(主に答弁書)
衆参両議院のウェブサイトで閲覧することができます。リサーチ・ナビ「日本-議会資料」を参照してください。

閣議決定等の調べ方 | 調べ方案内 | 国立国会図書館の「2-2-2. 閣議案件の種類別に本文を探す」より)

今回の事例はまさに質問主意書への答弁書だった。
www3.nhk.or.jp

政府は6日の閣議で、先月28日の臨時国会の召集日に衆議院が解散されたことについて「いかなる場合に衆議院を解散するかは内閣がその政治的責任で決すべきものだ」として、憲法違反には当たらないなどとする答弁書を決定しました。


この答弁書は民進党の小西洋之参議院議員が提出した質問主意書に対するものです。


主意書は、憲法53条の規定に基づき民進党などが臨時国会の召集を強く求めていたにもかかわらず安倍内閣が先月28日まで臨時国会を召集せず、審議も行わないまま衆議院を解散したのは憲法に違反する行為ではないかと質問しています。


これに対し答弁書は「憲法53条による臨時国会の召集の決定と、憲法7条による衆議院の解散は別個の事柄だ。内閣が衆議院の解散を決定することについて、憲法上制約する規定は無く、いかなる場合に衆議院を解散するかは内閣がその政治的責任で決すべきものだ」として、憲法違反には当たらないとしています。

なので、別にいただいたコメントの受け取り方が適切。私のツイートは先走り過ぎていた。

メモ:悪文コーパス


うつ病や双極性障害は講義において合理的配慮を求められます

2016年4月よりいわゆる「障害者差別解消法」が施行され、国立大学では障害のある学生への合理的配慮を行うことが義務となりました(たとえば東京大学の例)。私立大学においても、義務ではありませんが合理的配慮を行うことが推奨されています(たとえば、早稲田大学の例)。

合理的配慮の基本的な考え方は大阪府教育センター:連続ミニ講座 第3回 合理的配慮と基礎的環境整備のページにある3つの絵を見るのがわかりやすいと思います。大学の講義における合理的配慮の中心的な考えは「成績評価のダブルスタンダードは設けない」です。学力を測る際の段差を合理的配慮で埋めた上で、他の学生と同等の基準で成績評価を行うという考え方になります。

障害というと身体的障害を思い浮かべる方も多いと思いますが、日本学生支援機構が出している「教職員のための障害学生修学支援ガイド」では、発達障害や精神的障害も配慮すべき障害として例示されています。

発達障害は、これまで乳幼児や児童の問題とされてきました。しかしながら、その特徴や問題は長期にわたって変わらずに続くこと、知的に問題はなくとも発達障害のある人がとても多いことが指摘されています。平成16年12月に成立した発達障害者支援法第八条第2項では「大学及び高等専門学校は、発達障害者の障害の状態に応じ、適切な教育上の配慮をするものとする。」と明記され、支援の必要性が示されました。大学等においてもかなりの学生にこの障害があると想定されるため、発達障害も“障害”の一つとして、その困難さに応じた支援が必要です。

第6章 1 支援ガイド 発達障害とはより)

大学生の年代にあっても精神疾患はもはや珍しいものではありません。自殺が依然として大学生の死因の上位を占めており(大学における休・退学、留年学生に関する調査、平成23年)、精神疾患の早期発見に力を注ぐ大学もあります。従来、精神疾患のある大学生の多くが、症状が増悪した時に休学し、回復したら復学するという決断をしてきました。そのため、療養に専念する期間が数か月程度でも半年単位の休学や留年を経験することがしばしばありました。大学生の年代に見られる精神疾患の多くは医学的治療によってかなりの程度まで回復が期待できますが、復学の時点では、必ずしも通常のレベルで修学や生活に取り組めるとは限らず、症状が残遺したり知的作業の能力が十分に回復していなかったりします。このように平均的な状態から多少とも偏りが認められる精神状態が続くようであれば、精神障害のある学生として修学上の配慮や環境調整が必要となるでしょう。そこで復学が決まったら、支援を申請する手続きや具体的な支援内容の決定について検討されることになります。

 精神障害のある学生に提供される合理的配慮は、各人の精神疾患固有の経過や症状を理解した上で、個別的な対応を決定するプロセスの基礎をなします。精神障害のある学生の支援について、大学として明確なポリシーを発信することが重要です。

第7章 1 支援ガイド 精神障害とはより)


精神障害の例として以下のものがあげられています(主な精神障害より)。
1.統合失調症
2.気分障害(大うつ病性障害、双極性感情障害を含む)
3.不安性障害
4.睡眠障害
5.高次脳機能障害

また、主な精神障害のページにはそれぞれの障害について「どのような疾患か 」「どのような困難があるか 」「どのような支援・配慮が必要か」が説明されています。

気分障害(大うつ病性障害、双極性感情障害を含む)の「どのような困難があるか 」は以下のとおりです(赤字強調はnext49による)。

気分障害は、軽度であれば病感や病識が十分にないまま年月を経過することがありますが、多大なストレスに遭遇するなどのきっかけにより、社会生活や体調の面で急激に支障が生じることがあります。試験や授業への出席が困難になって欠席が続いたり、教職員や家族からの連絡に無反応になったりします。うつ状態があると、集中力や意欲が低下して修学が全般的に困難になり、さらに対人関係を避けたり、物事を決断できなくなったりします。深刻な状態の時期に講義や試験が重なった場合、支援を申請して変更・調整を講じてもらうか、あるいは進学や卒業を延期することもあります。また、就職活動をしている時期に不調に陥ると、就職、卒業論文、履修などが予定どおりにこなせず、留年や休学を余儀なくされる場合があります。このような場合、なるべく早急に診断書を提出して休養や休学、あるいは支援つきの試験を受けるなど、具体的な支援を選択することが大切です。

気分障害の配慮例としては以下のようなものが考えられると思います。これらが配慮されているだけで、だいぶ講義を受けやすくなると思います。

  • 遅刻や欠席を成績評価に反映させない(うつ状態のときには起きられない/家から出られない場合もあるため)
  • 中間試験や期末試験を欠席した場合、可能であるならば再試験を行う(同上)
  • レポートなどの提出日の延期を認める(同上)
  • 欠席した講義のレジュメなどを渡す(同上)
  • 人前でのプレゼンテーションやグループワークなど免除する(ストレス要因を減らす)
  • 講義中の水分摂取を許可する(服薬のため)

状況別の配慮事例としては場面一覧にあります。

これから太陽光が減り、精神的な状況が芳しくなくなる季節です。ぜひ、講義において合理的配慮をもとめて、生きづらい環境を少しでもマシなものにしていきましょう。

メモ:サタデーナイトラボ「オレたち英語使いすぎかも?特集」

紹介されていたエピソードで典型的な白人の外貌の人に日本語で話しかけられても英語で答えてしまうというのがあり「気を付けないと」と思った。高校生くらいの方はぜひ聞いた方が良い。

上記の特集のゲストの先生の本。