アイデアカード面白い

友達に教えてもらったアイデアカードが面白い。
www.ideacard.jp

何かを考えるときにゼロから考えるのは難しいけど、考える方向を絞ってあげると考えやすい。このため、トリガーリストとか、質問リストなどが重宝される。

上記のアイデアリストは、考えのきっかけ(トリガー)となる質問を生成するうまい仕組み。しかも、質問を「目的」「着眼点」「変更方針」に分割し、これらの要素をランダムに組み合わさせることによって、へんてこな質問が混じることも許し、発想の飛躍が起こるようにしている。

面白い。

初心者が独学するなら効率虫になっちゃダメ

学部1年生~2年生ぐらいの方の悩み。

anond.hatelabo.jp

上のエントリーのnext49なり解釈。

  • 実務に役立つ知識と技術を学生のうちに得たい
  • 大学の講義では、上述の実務に役立つ知識や技術が教えられていると思えない(学部3年後期までお預け)
  • なので、技術書を読んで独学したい
  • でも、技術書に書いてある事柄が理解できないので独学できない。
  • 設定画面などの例が豊富な技術書はすぐに陳腐化するから、読んでも無駄になるのではないかと躊躇してしまう。
  • 結局、技術書読めない(読んでられない)
  • 焦る。けど、がんばる。

フワッとしたところや、目線が上に行き過ぎている感はあるけど、他人から知識を与えられるのを待つのではなく、自分で獲得しに行こうという気概は尊い。がんばれ!

独学の大前提:効率虫にならない

あくまでも私の受け取り方ですが、リンク先のエントリーの内容からするに「無駄なことしたくない」「将来、役に立たないものを学ぶのは嫌」という考え方があるように感じます。「過度に効率を求める(効率虫)」姿勢は、初心者かつ独学者にとって致命的な姿勢です。こういう姿勢だと、多くの場合、無駄を避けるために何もできなくなります。なぜならば、初心者は「何が今後役に立つのかの判断・評価基準」を持っていないからです。何が今後役に立つのかの判断・評価できるならば、すでに初心者ではありません(言葉遊びみたいですが重要な話です)。

これから学ぼうとする事柄について、「何が今後役に立つのかの判断・評価基準」がないならば「無駄なことしたくない」「将来、役に立たないものを学ぶのは嫌」という思いを抑えて、「無駄上等!」と一通りやってみるのが重要です。いろいろな習い事ではお師匠さんにつくことが推奨されています。お師匠さんからの教えを通して、自分の中に「何が今後役に立つのかの判断・評価基準」を構築できるからです。初心者かつ独学の場合は、お師匠さんに当たる人がいないわけですから、基準なしで学ぶべきことを決めないといけません。基準を身に着けた後に振り替えると、自分が無駄なことにたくさん時間を費やしていたのに気づくことと思いますが、それはしょうがありません。

もちろん、独学につかう教材を吟味することで無駄を省くことができる蓋然性が高まります。その分野の権威者・実力者が勧めている教材(推奨の本)や多くの人が長い間利用している教材(ベストセラー、定番教科書)を選んでみてください。一番良いのは、所属学科の教員に「~を勉強したいと思うのですが、おすすめの本を教えていただけませんか?」と尋ねることです。

こんな本もでています。

定番教科書を探す場合は、勉強したい内容を教えている講義について複数の大学のシラバス掲載の教科書や参考書を調べてみるのをお勧めします。

独学への第一歩:語彙を増やす

大学レベルや実務レベルの専門知識や技術のほとんどが積み上げ式です。技術書に記載されている内容が高度になればなるほど、専門用語が増えていきます。本を読んでいて理解できない理由の何割かは、専門用語を知らないからです。まずは、専門用語を学びましょう。

とはいえ、専門用語だけを勉強するというのは辛い作業です。そこで、ブックマークコメントでも推奨されていたように、情報処理技術者試験の合格を目指して勉強しましょう。情報系の大学生なので、基本情報技術者試験か応用情報技術者試験の合格を目指しましょう。午前の4択問題(80問)を突破できるように勉強するだけで、IT関連用語を幅広く知ることができます(ただし、理解して、使いこなせるようになるかは別の話)。基本情報技術者試験や応用情報技術者試験の合格は、就職時に有利に働くことがありますので合格しておいて損はありません。
www.jitec.ipa.go.jp

基本情報技術者試験や応用情報技術者試験の勉強をしたことで良い点は以下のとおり

  1. 日本での実務の状況を反映させた上で、必要最小限の専門用語/考え方/概念が選択されている
  2. (試験範囲が広いので、試験に解答するために必要最小限ながら)各用語が何を表しているのかを知ることができる
  3. どの用語が何の分野の用語なのかについてざっくりととらえることができる

独学に必要な専門用語を身に着けるという目的において、非常に効率の良い勉強方法になっています。

道具利用のコツ:参照点を作るために何か1つ使ってみる

プログラミング言語やバージョン管理システム、IDEなどについては、どれが最も効率的かとか、どれが今後生き残っていくのかなどはとりあえず置いておいて、今、一番学びやすいものを使ってみるのをお勧めします。一通り使えるぐらいまで道具を使えるようになっておけば、類似の道具を使う場合や、その道具の発展版を使う場合に「あれは、~のツールの**機能と同じようなものだな」と類推ができるようになります。

道具を使う際には、インストールログ、設定ログ、利用のTipsなどをノートやブログにまとめておくことを推奨します。ログの取り方などについては以下をご参照のこと。

また、スクリーンショット多めの本は主に道具の使い方に関する本ですので、自分が使いたい道具のバージョン情報をよく検討した上で使うのが便利です。

誰に向かって何を目的とした文書を作っているのかで書き方を変える

小説を書く場合とコラム(エッセイ)を書く場合、報告書を書く場合、論文を書く場合、LINEのメッセージを書く場合とでどういう書き方をするのが良いのかは大きく異なる。文書を作るときには以下のことを考えて、どういう書き方をすればよいのかを変えた方が良い。

  1. この文書を読む相手は誰か?
  2. この文書の目的・性質は何か?
  3. この文書を通して、読者に伝えたいことは何か?
  4. 想定読者は、この文書で伝えたい内容についてどのくらいの前提知識を持っているのか?

日本の小学校~高校までの教育課程では、ほとんどの場合に上記のことを考えなくても大体の場合「先生」相手に「指定された内容」を特に文書の目的・性質を明示されず文書を作らされてきていたと思う。なので、大学以降において、は意識的に上記の問いをはっきりさせてから、書き方を決めた方が良い。

ということを以下のエントリーを読んで思いついた。
medium.com

関連過去エントリー

再・裁判は「科学的」「技術的」正しさを確定する場ではない

裁判で争っていることと、裁判に(実質的に)勝ったことから~が言えると主張していることがリンクするかどうかを確認しないといけない。

朝日新聞:ウェッジを信州大教授提訴 子宮頸がんワクチン記事巡りおよび日本経済新聞:子宮頸がんワクチン記事で月刊誌提訴 信州大教授「名誉毀損」は以前にみた構図のような気がする。弁護士どっとこむ:子宮頸がんワクチン研究者「実験捏造」と書かれ、ウェッジを提訴によると捏造ではない理由は以下の点とのこと。

記事では、池田教授が今年3月に発表した副作用の原因を探る研究で、池田教授が自説に都合が良いデータのみを選んだと報じた。現在、池田教授が所属する信州大が調査委を立ち上げ、不正がなかったかを調査している。

これに対し、池田教授側は、3月の発表は研究班の代表として、ほかの所属メンバーの研究成果を公表しただけだと主張。プロジェクトの研究者はそれぞれ独立しており、自身は問題となった研究への関与や指示をしたことはなかったとしている。

弁護士どっとこむ:子宮頸がんワクチン研究者「実験捏造」と書かれ、ウェッジを提訴より。強調はnext49)

この主張が認められてウェッジの記事が主張する「子宮頸がんワクチン薬害研究班に捏造行為が発覚」ということが否定されたとしても、子宮頸がんワクチン薬害研究班が主張することが正しいとはならないと思う。子宮頸がんワクチン薬害研究班が主張することが正しいのか正しくないのかは、主張自体について検討されるべき。[

関連記事

関連過去エントリー

前半期に講義に出ようと思っていたのに出れなかった方へ

夏休みになり学生のみなさんにとって大学の前半期が終わった。

学生のみなさんの中には前半期に講義に出ようと思っていたのに出れなかった人がいると思う。そういう人は、ぜひ、講義に出れなかった理由を「自分を責めることなく」振り返ってみてほしい。

アルバイトが大変で講義にでられなかった

私が学生だったころ(90年代後半~2000年代前半)にくらべ、今の学生さんは学費や生活費を稼ぐためにアルバイトをしている比率が高い。しかも、以前に比べて長い時間アルバイトをしているように思う。多くの学生さんはアルバイトと学業を両立させているのだけど、毎年、数名はアルバイトと学業の比重がおかしくなっている人もいる。さらには、アルバイトと学業の比重を自分で制御できているのならば、まだ良いのだけど、アルバイト先の圧力によって比重をおかしくさせられている例もあるらしい。いわゆるブラックアルバイト。

bylines.news.yahoo.co.jp

私はTBSラジオ Session 22の以下の回を聞いて、初めて認識した話。アルバイト先があなたが講義に出ることに干渉してきたら立派なブラックアルバイトなので、いったん誰かに相談してみた方が良いと思う。
www.tbsradio.jp

また、経済的な理由によりアルバイトを多くしないと大学を辞めるしかないという状態にあるならば、ぜひ、休学という制度の利用を検討してみてほしい。理由は、大学(学部)には在籍期間の制限があるので。多くの大学では8年間だと思う。休学をしていれば、その間は在籍期間にカウントされないので8年間という時間をフルに卒業のために使うことができる。国公立大学の場合は休学期間は学費無料が多く、私立大学でも学費が何分の一かになることが多いと思う。

朝起きれないので講義にでれなかった

多くの場合は生活習慣の乱れによる寝坊なのだと思う。前日、夜更かししたり、飲みすぎたりしたときに朝起きれないのは理由がわかっているので明確。

気を付けるべきなのは、特に理由がないのに朝起きれない(朝起きても寝床から出れない)とか、そもそも、寝れないとか。睡眠関係のトラブルはメンタルヘルスの不調の現れかもしれない。朝起きようとがんばっているのにも関わらず改善しないのならば、一度、大学が提供しているカウンセリングサービスを受けてみるのも良いと思う。カウンセリングに行くのが敷居高いのならば、以下のページで情報収集するのも良いかも。
www.mhlw.go.jp

www.mhlw.go.jp
www.mhlw.go.jp
www.mhlw.go.jp

講義では「~」を行うことが求められるが、私は「~」を行えないので講義にでれなかった

勉強しなくても単位が欲しいという話は論外だけど、何らかの読み書きやコミュニケーションなどに何らかのトラブルがある場合には「建設的対話」を行い、「合理的配慮」を求めるのが良いと思う。「合理的配慮」は診断がついた「障害」を持つ人のためだけのものではなく、大学および教員と学生が著しい負担を伴わずにできる範囲で学びの機会の平等さを探っていく話であると思う。建設的対話や合理的配慮とはなんぞと思った方は以下の記事をどうぞ。

synodos.jp

実際の合理的配慮事例については日本学生支援機構がパンフレットを出してくれている。一つ目は教職員向けだけれども、これを読んでおくことで大学がどういう対応を望まれているのかの概要がつかめると思う。二つ目は障害別の配慮事例。もちろん、建設的対話が必要ではあるが、どういう配慮を求めることができるのかの目安になると思う。

おわりに

ここ数年、「それは自分の心がけとか、努力でどうにかなる話じゃないので、誰かに助力求めた方が良いよ」という事例に何件か直面し、かつ、実際に助力を得たことで状況が好転した例(一方で助力を求めていないので状況が改善しないままの例)を見た。以下のエントリーでも書いたのだけど、大学を含め、今の社会制度だと助力を求められないと手を貸すことができないので、ぜひ、まずは助力を求めてほしい。

next49.hatenadiary.jp

追記:大学のうちに自分の特性との付き合い方を覚えていくということ

上のシノドスの記事でも大学生のうちに合理的配慮の求め方を練習しておくことが勧められているけど、診断名がつく「障害」だけでなく、診断名が付かないけど日常生活やビジネスシーン、集団生活において不都合がある特性に関して、大学生のうちに把握して、自分にとって不利にならないように隠したり、そらしたり、有利に変えたりする方法をいろいろとやっていくのが良いと思う。以下の記事読んで、非常にそう思った。

kenko100.jp