研究室内パスファインダー作ろうとしたけどうまくいっていない話

はじめに

「パスファインダー」とは、「道(path)」を「見つける人(finder)」という意味で、知りたいことがあるとき、どのように資料を探したらよいかの手引きのことです。

パスファインダー|杉並区立図書館より)


研究室の学生に毎年毎年「~については**の文献調べると良いよ」「~についてはまず**を読もう」と説明するのが億劫になってきたのでCode4Lib JAPANカンファレンス2015 - 発声練習で話を聞いたGitHub - dicarve/pustakawan: Pustakawan is a web-based tool for creating web-based pathfinder/subject guideで、研究室内パスファインダーをつくろうと思って作業したのだけどうまくいっていない。

Pustakawan

GitHub - dicarve/pustakawan: Pustakawan is a web-based tool for creating web-based pathfinder/subject guideのデータ構造は「ガイド(guide)」のすぐしたに「文献の種類(kind_of_resources)」がならび、各文献の種類ごとに「文献(reference)」がならぶ。そして、文献ごとにコメントをつけることができない。

<guide> ::== <guide_information> <resources>
<resouces> ::== <kind_of_resources>+
<kind_of_resources> ::== {<reference>}

これだと、どの文献から読み始めるべきなのか、何がどの文献にかかれているのかがわからない。

私が求めているパスファインダーは、「ガイド(guide)」の下の概念は「話題 (topic)」があり、話題ごとに「文献 (reference)」が列挙される形式の方が良い。たとえば国会図書館の調べ方案内の形式。そして、各文献ごとに一言メッセージをつけるようにしたい。
国の債務の調べ方 | 調べ方案内 | 国立国会図書館

なのでこんな感じの構造。

<guide> ::== <guide_information> <topics>
<topics> ::== <topic>+
<topic> :: == <explanation> <reference>+

GitHubで公開しているのだし、PHPとはいえcodeigniter(トップ :: 日本CodeIgniterユーザ会)というRuby on Railsライクなフレームワークをつかっているので直そうとすればいけるのだろうけど、そこまで時間をかけるべきか迷い中。各文献にコメントをつけられるようにするぐらいはいけそうなんだけど。

その他のパスファインダー作成支援ツール

パスファインダー作成支援ツールって結構あるのかなぁと思ったらさっぱりない。見つけたのがLibGuidesというWebサービス。昨年参加したCode4Lib JAPANカンファレンス2015で発表されていた天野さんが紹介につとめているみたい。

LibGuidesは私が求める形式のパスファインダーを作ることができそうなのだけど、契約しないといけないので、私の求める使い方はできない。

とりあえずのおわりに

誰かから研究室内パスファインダー作成支援ツールの紹介を受けられないかなぁと思ってエントリー書いた。

要求

  • Linuxサーバにインストールできること
  • 印刷媒体の本、Webサイト、PDFファイル、論文などを区別なくリストアップできること
  • パスファインダーつくる人とそれを使う人を区別できること(パスファインダーの中身は特定の人しか更新できないようにすること)
  • 話題ごとに文献の紹介ができること

まあ、Wikiクローン使えば良いんだけど。

土下座は止めた方が良いと思う

教員と顔なじみになろうというのは賛成だけど土下座は止めた方が良いと思う。少なくとも私は土下座されたら絶対単位ださない。その手法で良しと学習されてしまうのが教育機関において致命的だと思うので。
taroymd.hatenablog.com

顔を覚えてもらって、合格ボーダライン(50点代後半)のときに「あの学生がんばっているからなぁ」と配点調整したり、追加課題を出すことで60点にしてもらえれば御の字じゃない?
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今までの体験で一番がっかりしたのが、どうしてもとお願いするから追加課題出したのに、その追加課題の提出締切りを守らなかった場合。こころ冷え冷えになる。

追記:過去の数学に関する話

私も数学苦手でした。今でも苦手です。数学者の方々や数学を扱いきれる方々は本当にすごい。
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大学院入試の時期なので過去エントリー紹介

過去エントリー

まずは基本
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研究室を選ぶときのご参考まで。なお、分野ごとに見るべきことは異なります。
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博士前期課程・修士課程の位置づけは分野によって違いますが、今どきは「入院」というほどの深刻さはなくなっていると思います。
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世代別の話
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連絡とるときのメールに注意という話。
www.s-shiori.com
blog.goo.ne.jp
研究室訪問のアポをいただく時に気をつけよう・・メールの書き方 | 女性教授奮闘記 from Toyama

面接のとき注意してね。
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現在落語論

2015年12月21日(月)立川吉笑「現在落語論」Session袋とじを聞いて買った本
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落語は鈴本演芸場に2,3回聴きにいっただけなのでほとんど知らない。この本を読んで立川志の輔さんと立川談笑さんの落語を聴いてみたくなった。

この本の面白いところは「落語」という表現手法の特徴を分析している点。ただ、2015年12月21日(月)立川吉笑「現在落語論」Session袋とじで語っていた内容でほぼカバーされていた印象。

「落語」という表現手法の特徴として「場面の想像を聞き手にゆだねるので場面転換が容易であり、微入り細に入り説明する必要がない」というのがあった。小説が漫画や映画・ドラマに勝るときがある理由もこれなんだろうなぁと読んでいて感じた。場面の想像を聞き手にゆだねるからこそ、話し手の情報提供によって、あっというまに混乱してしまうので、落語家は話がうまいのだろう。また、本の中でも小説と落語の比較があり、小説にあって落語にない(なくてもよい)ものは「話のつじつま」というのは確かにそのとおりだと思った。

俺たちのBL論

昨年末から聞き始めた(もう、4か月たつの!?)Session 22で紹介されており、面白いと思ったので購入。ただ、そのあと積読になっていたので、別府旅行のおともに持ってきた。

大変面白かった。「かわいい」に関する検討は本当に素晴らしいものだった。

私とBL

BL小説は読んだことがないのだけど、好きな作家の栗本薫/中島梓さんのいくつかの作品が男同士の恋愛を書いているので、中学生~高校生にかけていくつか読んでいた。グインサーガもパロ編、新モンゴール編になるとまっていましたとばかりにそっちに走るので読んでいた。

また、中学生のときにはまったシリーズ「ダーコーヴァ年代記」(著者マリオン・ジマー・ブラッドリー)もちょいちょい同性愛、しかもおじさん同士だったりするのを入れてくるのを読んでいた。

また、中島梓名義のコミュニケーション不全症候群タナトスの子供たち―過剰適応の生態学小説道場を読んでいたので、「やおい」というのは少なくとも栗本さんにとって、否応なく評価される対象にされてしまうことへの抵抗と逃避の手段・場であるという理解だった。なので、最近BLが流行っているというのが不思議だった。そもそも「やおい」と「BL」の違いがわからない状態だった。

今回読んで腑に落ちたこと

何度も著者のサンキュータツオさんが注意喚起しているのは以下のこと。基本的に個人的体験であるということ。

BL、ボーイズラブというものを語る前に、まず言っておきたいことは、私自身、今思い切りBL作品やBL的に世界を見る愉しみを満喫していますが、おそらく完全には理解し切れていないし、またBL体験は、誰の話を聞いても非常に個人的な話になっていき、一般化しにくいものであるということです。そして、おそらく、この世界のことを完璧に理解している人も、またいないということです。
(p. 10より)

あくまでも著者のタツオさんと春日さんの説明に沿ってという形だけど本を読んでいて腑に落ちたことがいくつかあった。

  • 栗本/中島式の生存のための「やおい」という側面があるにせよ、もっと自分にダメージが来ない世界において理想的な恋愛や理想的な絆を見るというようなライトな愉しみかたがあるということ
  • BLとやおいの関係。乙女読み、腐女子読み、BL読み。私は乙女読みまでが修得済みスキルだと思う。なので女性が主人公のダーコーヴァ年代記「ホークミストレス」とかは中学生のときにすごい困惑した。
  • なんでもかんでも「かわいい」か!と思ってしまう理解できない「かわいい」には隙や未完成などのネガティブなものを補完可能な余白としてポジティブにとらえる認識が入っている
    • この発想はなかった。「かわいい」答案とかの例を作れそう
  • 関係性こそが肝!美男同士がただただいちゃいちゃするだけではだめ
  • 女性を抑圧し、傷つける性としての男性の一つの抜け道がBLなのかもと思わされる第3部。異性キャラに対する「萌え」に性的なものが多少であれ含まれてしまうところを「かわいい」を極めていくときに「異性」であることが邪魔になってくる。
  • なぜに「男同士」なのかの理由の一つが「頑丈で乱暴に扱っても壊れない(イメージ)」というのはなるほど。
  • 百合モノが男性に人気がでたというのは 栗本/中島式の生存のための「百合」という側面。すなわち、男性も評価される対象となったという側面もある。
  • 参加記:コンテンツ文化史学会2013年第1回例会「コンテンツと歴史」 - 発声練習でも疑問に思っていた新選組がなんであんなに人気なのかの理由の一端が193ページから始まる春日さんお勧め時代劇ベストカップル。その中の「新選組血風録」の項があの疑問の答えのように思える。腐女子読みのスキル持ちにズンズンささったのだろう。

「かわいい」のところはもっと深い鉱脈がありそうなので、ぜひ、掘っていってほしい。